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アメリカン・クライム

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AN AMERICAN CRIME / トミー・オヘイヴァー

アメリカン・クライム

エレン・ペイジのかぼそさがつらい

これは、見るまでがとてつもなくしんどかったっす。見ようか、いやムリ、見ようか、いやムリ、の繰り返しで、引き延ばすこと、気の進まない仕事のごとし。
なんせ1965年、インディアナ州で起こった、少女虐待事件の実話がもとなんですことよ、おくさん。
大体どういうことが行われたのか、あらかじめ予備知識があるだけに、見終わったあと、しばらくダウナーになるんだろうな~~~って、わかりきってるじゃないっすか。ねえ!

そういうモノは、よっぽど明るい気分の時に見ないとヤバイが、ラリパッパに明るい時には、暗い映画など見てる場合じゃないもんねぇ。
結局、気分を選ばず、ボチボチと見ました・・・・。

 ■続き

いざ、見てみれば、直接的な残酷描写があるわけでもなく、淡々と見終わりました。
でも、こういう映画のダウナーは、あとからドーンとやってくるので油断がならぬ。ふううっ、きてます、きてます。

んとね、やっぱしなにが怖いって、ガートルードが、ジェイソン(注1)やバンディ(注2)じゃないこと。
つまり、架空実在を問わず、殺さずにはいられないぜ!みたいな構造をした、「天然殺人鬼」なんちゅう特別なものではないってこと。
確かに精神はもろく、情けなく、あぶなげな人ではあるのだけど、条件さえ重ならなければ、ごく普通の人として生きていたかもしれない、そういうレベルの人なのだ。

いや、ぶんぶん、ガートルード自身は「一歩間違えばマズイ」人が「一歩間違った」殺人者なので、やはり「普通」と呼ぶには抵抗があるぞ!
だけど、犯人はガートルードひとりではなかった。きっと、ここがミソなんだ。
生まれながらの殺人鬼でもない普通の子供たちが、本人自身「なぜかよくわからない」けど心を巻き込まれて、ひとりの少女をいたぶり、死に追いやった。
客観的には、それが「集団狂気」だと思えるのに、当事者たちから、その判断力は失われているんだよ~~!

こっこっこ、これを、怖いと言わずして!!!

恐怖のホシは、たぶん、誰もが「当事者」になりうるんちゃうん?という懸念。
もちろん、当事者になんかならないもん!と、誰しもそう思ってる。ハズ。
だって、人間には「良心」という永遠の友がいるんだもんね。ただ、友はたま~に、留守をする。
ぶっちゃけ、「脳とは、操作されちゃうモノ」らしいから、それを自覚しておく必要があるんだろうなぁ。
たとえば、テレビで美女が、おいしそうに有名店のスイーツを食べている映像を、ピピピとキャッチすれば、スイーツな欲求が発生し、煩悩を満たすため、店に押しかけて行列を作らせるのが、脳の仕業。

宇宙人やミジンコがどうだかは知らないけど、人はおおむね、「カイカン(ドーパミン)」があるから生きていける。
もちろん、快感発生ポイントが、スイーツだったら、刑事的には無問題。
あっ、ただ、発生条件はエスカレートしがちらしいから、糖尿病には気をつけないと!
つーか、発生ポインツが善行だったら聖人、フォアグラだったらメタボ、ガンダムだったらガンオタ、麻薬だったら田代まさし、えっちだったらタイガー・ウッズ、あくどいオカネだったらお代官さま!!!
ようは、いかに清く正しく法にふれずに、ドーパミンを発生させているかで魂のランクが決まるのね、みたいな感じなんじゃないのかなぁ~~。

で、ガートルードのポインツはたぶん・・・ムニャムニャ・・・ってところで、そういう実例を見せ付けられて、ががーーーん!!ってコトになり、常人は打ちのめされてしまうのでしょう。

殺人事件として、こういう如実な現象が起これば、みんな眉をひそめるけれど、私たちの生きる世の中は、そういう危うさに満ちている。やっぱり、浮世バナレなゾンビより、精巧さを追求する血糊フェチのつくるスプラッタより、「人が怖い」映画の方が、ぐっと後味が悪いよね~~。
ってコトで、被害者のシルヴィアを演じる、エレン・ペイジのかぼそさと、キャサリン・キーナーのしぶい演技と、普通の人が、陥る狂気に震えた一品。

ちなみに、オススメはしません。しないけど、同じ事件を扱った話として見るならば、「隣の家の少女」よりは、「アメリカン・クライム」を見たほうがいいような気がします。
いや、隣の家の少女は、見てないけど。
だって、あれにはスティーブン・キング(注3)が「怖い」とコメントを寄せてるそうじゃないですか。大体、キングのコメントがついてる映画で、怖いか、面白いのに当たったためしがないっぺさ(爆)。<コラー!

2010年9月19日

※注1) 13日の金曜日の主役、ジェイソン・ホービーズ!
※注2) アメリカの女たらし連続殺人犯、テッド・バンディ!
※注3) キング、嫌いじゃないっすよ・・・(笑)。

アメリカン・クライム [DVD]

アメリカン・クライム [DVD]

 

「アメリカン・クライム」データ

AN AMERICAN CRIME (2008年/アメリカ)

監督//
  • トミー・オヘイヴァー
出演//
  • キャサリン・キーナー (ガートルード・バニシェウスキー)
  • エレン・ペイジ (シルヴィア・ライケンズ)
  • ヘイリー・マクファーランド (ジェニー・ライケンズ)
  • ジェイムズ・フランコ (アンディ)
  • ブラッドリー・ホイットフォード (リロイ・ニュウ)

鬼畜大宴会

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鬼畜大宴会 / 熊切和嘉

鬼畜大宴会 [DVD]

鬼畜大宴会 [DVD]

 

熊切和嘉監督のはじまり

かの、あさま山荘事件時の連合赤軍をヒントにしたみたいな感じの、ムッチョリギチョギチョスプラッタ映画。
なんつっても登場人物のブサイクさ、不潔さなどが、それはそれはナマナマしいので、C級ホラー系映画につきものの、えっちでイヤンなシーンですら、「もぉぜったい見たくないもの」をたっぷり見せ付けていただくような余計なお世話です。
映画館で見る場合などはとくに、息継ぎのタイミングもなく肺が張り裂けそうなので、一刻も早く新鮮な空気が欲しいかも。

それはたぶん 、その時代特有の暗さ、ネバリケ、貧しさ……などをとってもリアルに押し付けられるから。
モヤモヤとした黒さから、思わず目をそらしたくなる、救いのない狂気と殺戮。
「ま、あの時代いろいろあったし!」って言われれば、仕方なく「う、うん、そ、そ、そ、そうだね!」なんて相槌打っちゃいかねないような、乗せられ方をしそうになる。
でもジツは、時代は単なる、画面の「効果」に過ぎないのだろう。

ってことで、監督入魂の不快感をたっぷり味わい振り回された挙句、「でー!キモい!結局ただのスプラッタ映画だったんだね!」 と、誉めちぎってしまいました。
やるなあ大学生……、これすごい映画よね。

あっそうだ。
主役(?)のマサミさんは、見慣れればかなりいろっぽい……と感じる可能性があります。白塗りで踊る風情は、花柳流や若柳流とか、藤間流じゃあ太刀打ちできないような、6~70年代的な品のなさがあって。

まあ、これ一本見たあとは、その他の少々ちまちましたことには動じない、大らかで鈍感な人になれるかもしれない、と思ったりもする。
というわけで、この映画1本で、神経質な性格は改善するかも???
まーでもどんな効能があろうが、アタイはたぶん、繰り返し見たりなんかゼッタイにしない。

それでも、大学の卒業制作で、うら若き学生さんたちが、こーんなリアルレトロでエログロな作品を撮ってたんだ~、と思ったら、今後の邦画の行く末に、なんか起こりそうな予感がしてくる。
だからして、とりあえず、嫌々だけど、次作を待つ!

 

「鬼畜大宴会」データ

鬼畜大宴会 1998年 日本

監督//
  • 熊切和嘉
出演//
  • 三上 純未子
  • 澤田 俊輔

RED SHADOW 赤影

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RED SHADOW 赤影 / 中野裕之

超ラスベリーなんだけど・・・

今日、ナニゲにテレビで、赤影(レッド・シャドウ)を見てしまった。
………………。
…………………………。
20分ほど見たあたりから、洗濯物をたたみながら見ていたはずが、いつしか洗濯物を取り落とし、あまりのことに口はあんぐり、放心状態……。シーンが変わるたびに頭蓋骨内をドカドカバイバキと暴力的にこだまする、ツッコミというか、つぶやきというか、感想というか、遺言。

……し、し、死ぬほどつまんねえ!!!
鑑識に言っとく。もしもアタイが明日死んだら、死因として疑ってくれ!

ともかく、しょぼい、しょぼすぎる!だだ馬犬イ乍!!屁ムービー!!

その屁っぽこかげんがどんくらいかというと、あの一世紀中に1本あるかないかというアタイ的スペシャルラズベリー、『梟の城』をかるく振り切ったほどのしょうもなさ!カラスもカーと泣いている!!!

 ■続き

それにしても、あの赤影が、どう間違えばこれほどまでしょうもない映画に変わり果てるの・・?
そもそも、赤影といえば、マンガといいテレビといい、一世を風靡したと誉れも高い娯楽番組!
赤影をみた子供は、職業欄に「忍者」と書くのを夢に見、親に内緒で、修行もした!というほどの社会現象!!


……だったかどうかまでは、ぶっちゃけアタイもしらんけど、ゼッタイかなりのもんだったと思うんよね。

その赤影が年月を経て、二枚目安藤政信主演でよみがえり!!

面白くないわけない!!なのに面白くない!!
面白くないだけでなくて、屁だった!!!!!
赤影が屁!!!いかん、いかんぞそれは!!!
ヒーローがいきなり屁に格下げされたとあっちゃあ、故人もうかうか成仏できまい!
第一、アタイのような乙女に、何度も「屁」とか言わすなよ!

もうちょっと!で期待でキラキラしそうなシーンもあったのに、最終的に心に残るのはしらじらしさとバラバラ感だけ。

見進めば見進むほど、時間の無駄が勿体無くて、このやうな映画を作る予算があるんだったら、アタイにコタツのひとつも買ってください……(涙)、と、ものは試しに東映に言ってみたくなるだよね。

いやいや、アタイとしては正直なところ、ホントはどんな映画でも、「あーおもしろかった」と言いたいんです。評論するのが目的でなし、上目線でモノ言えるほどの思考力があるわけでなし。ぶっちゃけチケット買ったわけでもないし。(梟の城のチケットは買った!チキショー!)

でもねぇ……検索で引っかけた謳い文句が、

「かつて誰も見たことのない究極のアクションの連続、2300カットの超絶躍動映像がド肝を抜く!世界が注目する中野裕之監督の日本発・史上最強NINJYA MOVIE !!」

…………つうのはどうよ?
これってジャロに言いつけてもいいんとちゃうん?

そりゃ、確かにド肝は抜かれたけど、アクションにじゃないよね。映像に、ってはずもないよね。アタイのド肝を抜いて大穴を空けたのは、聞いておどろけ、新体操!

は~?新体操??

でもアタイ、ドリヴンの唐突なシンクロナイズドスイミングのシーンで、免疫ゲットしちゃってるから、もう思ったほどびっくりしないもんね。
と一瞬は思ったが、徐々に蝕む系だったのか、脳内は「疑問」が化学変化を起こし、いまや「頭痛」に……。
今は一刻も早く、この映画の記憶を消し去らねば、夕食に使う塊肉を、怒りの鉄拳でミンチ化させてしまいそうです。次回放映は、メニューがギョーザの日にしてくれ!!


あーでももしかして、誰よりもこの映画を記憶から抹殺したいのは、この映画に関わった人たちなのかも知れませぬ。
監督さま、転職の際も履歴書に、「赤影つくりました」とは絶対書かないような気がします。アタイもそれがいいと思います……。
でもなぁ、サムライ・フィクションはいい感じで好きだったのになぁ……。

つーか、いつか絶対、謳い文句通りの作品を見せていただきたいっす。だって新感覚時代ムービーって、うまくハマれば、とっても面白そうじゃんねぇ。


(2002年11月、記)

RED SHADOW 赤影 [DVD]

RED SHADOW 赤影 [DVD]

 

「RED SHADOW 赤影」データ

監督//

  • 中野裕之

出演//

  • 安藤政信(赤影)
  • 奥菜恵(琴姫)
  • 麻生久美子(飛鳥)
  • 村上淳(青影)
  • 陣内孝則 (竹之内基章)

紫禁城華の嵐

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金枝慾蘖 WAR AND BEAUTY / ライ・パクギン

紫禁城華の嵐

あらすじ

ひらたく言えば、後宮にうずまく陰謀と愛憎を、でっかい壷に投入して、よくよくこねくり回して粘りを出したようなお話です。ぶっちゃけ、中華版大奥かな。
寵妃たちは、まぁそれぞれのイロイロカイロな事情から、皇帝の寵愛を得るための、ドス黒い出し抜き合戦を繰り広げるものの、実は、みんな別に好きな人がいて、結局いちばんのモテナイ君は、誰あろう皇帝だった!!

という、まぁ、一部の人種の、モテルための価値観を、根底から揺るがす話であった。(ドラマ自体にそんなつもりがないとしても)

 ■続き

感想

1度ハマれば全話見るまで抜け出せない、恐怖の華流テレビドラマ!!全30集。
30集と聞いて、どひー!!ムリムリ!!っと思う人は多いだろうが、意外とスラスラ見れちゃいました。
それに、華流テレビ大河ドラマで、30集なんて、短い、短い。
なんせ康熙王朝とかなんて、カル~~く50話ぐらいあったもんね~~~!!!
つーか、韓国ドラマなんかだと、100集超えも普通とか!

やっぱ、中国四千年かけてじっくり発酵されたすったもんだは、面白いしくせになるし糸を引くしで、たったの30話で終わるのが、物足りなくなること請け合いよねぇ!!
とはいえ、アタイは順不同で視聴して、大体の流れをつかむや否や、不覚にもフっと我にかえってしまいましたので……、全話見たワケじゃありません(エヘ!)。

やっぱ、「みんなイイ人」になっちゃうとどうも調子が狂ってイカン……。
最初は、陰謀乱立後宮立身出世ものか?と身を乗り出して見始めたものの、だんだん主要登場人物のほとんどが、惚れたハレタの、恋愛中心になってきて、「昼メロか?」と感じたとたん、急にシラフに戻ったりする。

つーか、私的には、アムロちゃん似の如妃(ユーフェイ)まで、恋する乙女になっちゃうなんざぁ、どうにも受け入れられませぬ。
まあ、あのへんのエピソードは、好きな人は好きだろうし、各自好みの問題だろうな、とは思うけど・・・。

ただ、せめて、小禄子(シウロッジ)と福貴人(フォッグァイヤン)あたりぐらいは、感情のデドコが「恋愛」よりは、「友情」であってくれれば、もっと親身に応援できたのになぁとか思います……。
けど、福貴人の、「好きな人にかまって欲しくて、毒を飲む」という行為に及ぶ心境は、ミュンヒハウゼン症候群とか言って、現実的に、人の心理としてありえることを思うと、マジ怖いっすー。

日本でも、他人の関心、同情などをひきたいばかりに、わが子に汚水点滴をした母の事件が、代理ミュンヒハウゼン症候群として、まだ記憶に新しいことだしなあ。
そこまでいかずとも、「人の関心を得たい」という感情は、ときにとんでもない行動を起こさせるし、悲しみや寂しさや愛情や願望のような、ふつうの人間らしい感情こそが、エスカレートしちゃった時、そのベクトルの向け方次第では、とても、クワバラだったりする。
たぶん、パワーが増すほどに、渦中の本人にさえ、制御不能になってそうやし。

それに比べりゃ、損得勘定や保身のようなものをルーツとする、チョイコウコウのようなわかりやすい「極悪」のほうが、よっぽどカワユイもののように思えてくるよね。
いやホント。

まぁ、そうは言ってもメロドラマやから、そんなこんなはあくまでもオツムのカタスミの余興であり、オツムのどまんなかでは、思いっきりドロドロな女の戦いを、やんややんやとミーハーに、手に汗にぎってれば、順調に楽しめるお話でした。

ただ、キャラの性格の逆転ぶりが、あらかじめ計算しつくされたストーリー進行というより、単に、2転3転したほうが面白いやろ!!……みたいなノリだったような気はします。
なんつっても、最後の最後で、「そんなご都合な最後なんかいっっ」と、アタイちと暴れちゃったよ。

まぁ、突っ込みはじめると、そのあまりの果てしなさに、本来のドラマの面白さを、台無しにするおそれがあるかもしんないので、そこはおおらかに受け止めたいと思います。

ただひとつ、孫大人(シュン・パッヨン)が、なんでそんなにモテルのかいのぉ~~?っつーぐらいのツッコミだけは、声を大にして言っときます。
いや、確かに、序盤の、感情をおさえたクールでニヒルな表情からにじみ出るやさしさなんかを見せ付けられると、弁髪にあのボーシのイデタチながら、だんだん、だんだん、カッコ良く見えてくるのは間違いナイのだ。
いやぶっちゃけ私も惚れました。ただしそれ、錯覚だよね!!
だって、よくよく冷静に考えれば、医師としては優秀ながら、父親への反抗期が長すぎるただのダダッコ!!! 罪のない、けなげな女房をほっぽって、遊郭に入り浸り酒びたり、あげく皇帝の寵妃に道ならぬ恋だと?? 何から何まで、最悪じゃん!!

ともかく、そんなバッヨンにしなだれて、美女がはらりと着物を脱げば、清の時代特有の、例のキンタロの腹掛け下着!! それにてセクシー・シーンに突入する、ああ、中国時代劇!! うむ、やっぱ、なんだかんだと、やめられませぬ。

2009年5月25日

紫禁城 華の嵐 DVD-BOX1

紫禁城 華の嵐 DVD-BOX1

 
紫禁城 華の嵐 DVD-BOX2

紫禁城 華の嵐 DVD-BOX2

 

「紫禁城華の嵐」データ

WAR AND BEAUTY 2004年 香港

監督/
  • ライ・パクギン
キャスト/
  • 安茜(オンシン)張可頤(マギー・チョン)
  • 爾淳(イーソン)余詩曼(カーメイン・シェー)
  • 玉瑩(ヨッイン)黎姿(ジジ・ライ)
  • 孫白湯(シュン・バッヨン)林保怡(ラム・ボーイ)
  • 如妃(ユーフェイ)(シェレン・タン)
  • 孔武(ホンモウ)陳豪(チャン・ホウ)
  • 陳爽(チャンソン)
  • 福貴人(フォッグァイヤン)(ジェイド・リョン)
  • 宝嬋(ポウシン)陳霽平(マリア・チェン)

ヴェニスの商人

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The Merchant of Venice / マイケル・ラドフォード

ヴェニスの商人 [DVD]

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ヴェニスの商人 オリジナル・サウンドトラック

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シャイロックに感情移入

アタイ、シェイクスピアってどうも好きじゃないのだ。
小中学校時代に流し読みしたきりなので、よく理解できてない、ってのもあるかもしれないんだけど。
シェイクスピアは、そもそもこれを喜劇として書いた。しかしそれを前提に、皮肉や風刺として深読みすれば、多分人の数ほど、きりがなくなってしまいそう。
なにより、アタイには、そんな偉い人の真意を推理できるような知識も機知もナイのであ~る。
だから、まぁそういうことを抜きにして、ひとつの映画として、ごく素直にこれを見る。
でもまぁ演劇だからね~、と、自分に言い聞かせてはおく。

あらかじめ、身構えていたとおり、金貸しシャイロックが法廷でフルボッコされる展開では、いや~な気分を味わった。アル・パチーノの熱演に、良くも悪くも気持ちを乱される。
マイケル・ラドフォードさんは、シャイロックを極悪人として描かなかったから、この話を悲劇として表現しようとしたんだろうかなあ?そうも取れる感じだっただけに、シェイクスピアがそもそも、これを喜劇として書いたってことが、なんだかなあってなった。同じ話でも、観客に見える範囲の、書き手の目線や意図はやはり重要だと思う。

 ■続き

舞台は、16世紀のヴェニスなり。
ユダヤ人は、キリスト教徒からとてもひどいイジメを受けていました。
日本人として、キリスト教とはさほど大きく関わることもなく、これといった信仰もなくスクスク育った私には、キリスト教徒のユダヤ人に対する感情に、いまいちピンと来ないものがあったけど、この映画を見て、なんとなくイメージの輪郭が見えたような気がしてきた。

ホロコースト、アパルトヘイト。学校で学ぶ歴史だけでも、「人とは差別をする生き物」だということが、否が応でも刷り込まれる。誰かを見下すことで、自分の優位を確かめたがるのは、逆に弱さの証明でもあると思うのだけど、なかなか自身のこととして、自覚するのは難しいのだろうなあ。

アントーニオ(ヴェニスの商人)は、高利貸しであるユダヤ人シャイロックを心から軽蔑している。下賎な者が、窮した人に金を貸して利を得ることなど、彼の美学に反するからだ。彼なら、無利子で金を貸す。だから、「高潔なるアントーニオ」として、人々に慕われていた。
シャイロックはそんな軽蔑の視線の中での世渡りを心得ていて、赤い帽子をかぶり、つばを吐きかけられても、うわべはキリスト教徒に逆らわないで、心のなかでそっと憎悪を募らせていた。

シャイロックの、心の支えは金である。
もちろん支えはそれだけではない、と、子を持つ親の身としての、自然な感情は、ユダヤ人だろうとキリスト教徒だとうと、アジアの僻地のアタイんちだろーと変わりはない。だけど、それはわざわざ口にするまでもない、あたりまえのことなのだ。

大事な友人を助けるため、軽蔑している相手であるシャイロックから、自分の肉1ポンドを担保に、金を借りるアントーニオ。不幸なことに、アントーニオは財産の全てを失ってしまったので、担保である1ポンドの肉を巡って、裁判が行われる。

まあ、広く知れた話なので、山ほどもあるツッコミ所の、どこにポイントを絞ろうかと悩ましい。
アントーニオと価値観が異なると、もう、彼の「良さ」を汲み取る自体がムリなのだ。

だから、アントーニオはさておいて、アタイ的には、やっぱ、ポーシャの矛盾がターゲットかな。
ポーシャの男装は、ぶっちゃけ、萌えます。
ただキャラとして見た場合、法廷でトンチを効かせる頭の良さ(あるいはずるさ)と、ただのダメンズ、バサーニオの、ストレートな金の斧銀の斧胴の斧アプローチに、簡単にコロってなるオバカさが納得いかない。
しかも誓いの指輪を、他人にくれてやった男ですよ。愛を試しておきながら、ナゼ詰めない!!
ゆえ、シノゴノ格好つけても、結局、面食いなだけだったんだろうが!!と思わざるを得ない。

映画の中では、バサーニオは、顔がよく口がうまいだけのダメンズでしかない。
たぶん、そういう役をやるために生まれてきた、とおぼしきジョセフ・ファインズが、コスプレっぷりも華麗に大ハマリ。ほんとうにダメで、味方をする気も失せるやつ、をすごく好演してくれています。
親の遺産を遊興に浪費し、逆玉を狙うための資金を(たぶんゲイ関係)であるアントーニオに無心するような鼻持ちならないやつ、を演らせて、これ以上の役者さんがいるだろうか~。ファインズ兄弟ばんざい!

っというわけで、アタイはわき目も振らずアル・パチーノに感情移入させられてしまい、このお話で、爽快感どころか笑いどころか、ひどい後味の悪さを味わいました。
それでなくても、こんな世の中。慈悲とは、正義とはなんだろう。などと生真面目に考えると、とってもやりきれなくなるなぁ。

(2011年7月)

「ヴェニスの商人」データ

The Merchant of Venice  2004年アメリカ、イタリア、 ルクセンブルク、イギリス

監督//
  • マイケル・ラドフォード
出演//
  • アル・パチーノ  シャイロック
  • ジェレミー・アイアンズ  アントーニオ
  • ジョセフ・ファインズ  バッサーニオ
  • リン・コリンズ  ポーシャ
  • ズレイカ・ロビンソン  ジェシカ
  • クリス・マーシャル  グラシアーノ
  • チャーリー・コックス  ロレンゾー
  • マッケンジー・クルック  ランスロット
  • ヘザー・ゴールデンハーシュ  ネリッサ
  • ジョン・セッションズ  サレリオ
  • グレゴール・フィッシャー  ソラーニオ
  • ロン・クック  老人ゴボー
  • アラン・コーデュナー  テューバル
  • アントン・ロジャース
  • デヴィッド・ヘアウッド
  • ベン・ウィショーもチョコっと出てるヨ

雍正王朝

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雍正王朝 / フー・メイ

雍正王朝

おっさんドラマ、面白い

別に何の必要もないが、アタイは宣言する。
弁髪と、孔雀のハネつき、赤フリンジ三度笠がダイスキだ!!
フェチと呼んでもらっても一向にノープロブレム。
変態と呼んでもらっても一向に絶好調。

とゆーわけで、まともに買えばバカ高い、中国歴史ドラマがGyaoで放映されまくり、ということならば、見ないわけにいかないのです!!!!
なんたって、フリンジ三度笠はためく清朝ものが目白押し!
それで、いろんな清朝皇帝モノ大河ドラマを見たおしてきた私が言いますよ。
中でもダントツ、一番面白かったのがコレざんす!と。

 ■続き

だいたい、雍正帝みたいな地味~~~な皇帝(と感じるのは、日本人だから?)にスポットを当てて、ぞろりと揃えたおっさんキャスト群にて、いちミーハーな日本人を、こーまでトリコにしてくれたなど、スゴイといわずしてなんと言う。
今回、茶色くニオイたつおっさん臭を、まともに正面から食らいながら、どんどん、どんどん前のめりになるという、乙女にあるまじき現象が実証されました。

ともかく、娯楽作品でありつつも、硬派な歴史ドラマゆえ、あらすじはまあ、ウィキペディアあたりを見てくれれば、ソコソコええ感じの下ごしらえになるんちゃうかな、と思います!!
アタイの当てにならん記憶的には、雍正帝という人は、几帳面な人すぎて、在位たったの15年、なんと死因は「過労死」っつー、幽王やら紂王が聞いたらのけぞりそうな、謹厳実直なカタブツキャラ!!
ぶっちゃけ情に流されないリストラな仕打ちが、かなーり、クールなお方として、その名をとどろかせていたりしていた模様!!でも在位中、お国のお金はたんまり貯まったらしいんだよね!すっ、すごい!!

そんなヤリ手の働き者ってゆー、ぐつぐつ煮てもゴーゴー焼いても、エンタメとしてほど遠そうな人物をどんっと主役に、話がここまで面白くなったのは、ひとえに弁髪の唐国強と、まるまるしてるのに、命はかない薄幸の13皇子をおみごとに演じきった、王輝たんのお手柄であるかと、私は思う!!
ちなみに、このドラマでは悪役ですが、王絵春とか、ライバルキャラの魅力もキンピカリンに光っています。

これはともかく、見てナンボ。
人間関係の複雑さは、何度も見返す楽しみに!
あと、主要人物と思しきキャラが、視聴者になんの断りもなく、いきなりぽっくり死んじゃってて、わたしたちぽつんと事後承諾!!ってゆー、中国ドラマならではの、ラスト近くの唐突な展開も、教科書まるうつし!みたいな先読みのチョロイ脚本の、つまらんドラマを見るよりはるかにフレッシュ!
個人的に、旅情ネタ2時間サスペンスの100倍、水滸伝の50倍は面白かったと思います!!

(2009年,6月9日)

雍正王朝 上 全5枚組 スリムパック [DVD]

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雍正王朝 下 全4枚組 スリムパック [DVD]

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完全版雍正王朝 [DVD]

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「雍正王朝」データ

1999年 中国

監督/
  • フー・メイ
キャスト/
  • 唐国強 雍正帝。名は胤禛。康煕帝の第四皇子。
  • 焦晃 康煕帝。清の第4代皇帝。
  • 張彦春 胤禔。康煕帝の第一皇子。
  • 徐敏 胤ネ乃。康煕帝の第二皇子。皇太子(廃太子)
  • 夏和平 胤祉。康煕帝の第三皇子。
  • 王絵春 胤祀。康煕帝の第八皇子。
  • 苗海忠 胤ネ唐。康煕帝の第九皇子。
  • 劉魁 胤ネ我。康煕帝の第十皇子。
  • 王輝 胤祥。康煕帝の第十三皇子。
  • 徐祖民 胤ネ題。康煕帝の第十四皇子。
  • 杜志国 年羹堯。
  • 常林 年秋月。
  • 杜雨露 張廷玉。
  • 趙毅 李衛。
  • 張丹丹 翠児。李衛の妻。
  • 楊洪涛 李徳全。
  • 賈致剛 弘暦。雍正帝の第四皇子。後の乾隆帝。
  • 姜光宇 弘時。雍正帝の第三皇子。
  • 袁世龍 弘昼。雍正帝の第五皇子。
  • 賀生偉 田文鏡。
  • 蔡鴻翔 隆科多。

キングダムⅠ第一章

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THE KINGDOM / ラース・フォン・トリアー

キングダムⅠ第一章

再放送希望!天才、ラース・フォン・トリアーの未完成テレビドラマ

かつて洗濯池であった土地にそそり立つ、巨大病院キングダム。
プチ国家ともいえる巨大建造物ゆえに、そこにひしめく人間たちもハンパなく多種多様。
各種個性の揃いブミ。
過去の哀愁と足元のもろさをを匂わせる立地条件もあいまって、日常的に、ありとあらゆる怪奇現象が起こっている。

だが、そもそも「怪奇」とはなんだろう?何がヘンで、何が普通と言えるのだろう?

……とまぁ、誰もが独自に抱えている「病み」を、若きラース・フォン・トリアーがブラックかつシュールにあられもなく剥きだしたテレビ・ドラマで、確かに私は何度も見るほど大好きなのだが、この人を食ったドラマの持つおかしさから発生した笑いは、一種の自虐とも言えちゃいそう。

たぶん、これでもラース監督は大衆融合路線のつもりで、頑張っておさえにおさえたんじゃないのかなぁ~とは思ったりするものの、そんなムリは所詮導入部分ぐらいでしか持ちこたえず、やっぱし見る人をふりほどく方向に向かって、どんどん転げていくのであります。

 ■続き

で、あるにもかかわらず、これが視聴率50%を取ってたですとな?
な、な、なんと寛容な国なんだデンマーク!!
その事実だけでアタイ的には、日本がこのまま崩壊したときの移住国候補に、デンマークがランクインしました。

まぁ、群像劇のくせに、キャラがいちいち濃いもんだから、一話見るたびにずっしり満腹になります。でも、脂でギトギト、塩分濃い目、1度ハマったら即メタボ!みたいな香港映画みたいな濃さではなくて、各種ハーブを山盛りに盛って、トリプルチーズで焼いてみたピザ、巧みに仕込まれたアレルゲンの強いハーブが体の中で活性し、徐々に蝕まれていきました、みたいな面白さなので、満腹になればなるほど、やつれてしまいそうなフシがある。

なにはともあれ、キャラ多いので、メインだけでも整理しておこう。

ヘルマー医師

スウェーデン人の医師、ヘルマーは、キングダム、というか、デンマークに馴染むことができないオレサマ医師。毎日、盗難防止のため、愛車のホイールを外して出勤する。自国で何かマズいことをやらかして、とばされてきたものの、デンマークに差別感を抱いているので毎日を苦々しく過ごしている。特に、ヘルマーを立ててくれない、若手医師のクロウスホイが気に入らない。現在、医療ミスの疑いで、患者の家族に訴えられそうになっている。

ドルッセ夫人

入院マニアのドルッセ夫人。仮病で入院にこぎつけては、入院患者たちを集めて、なんちゃって降霊会などをやっている。25回目の入院で、ヘルマーに目をつけられ強制退院させられるが、エレベーターで生まれてはじめて本物の霊とコンタクトできた(と確信した)ため、帰宅前に26回目の仮病によって再入院する。浮かばれない霊を成仏させられるのは自分だけ、と信じて一所懸命だ。昔、1週間家出をされた心の傷を利用して、息子をこきつかっている。

ボンド医師

病理学者、ボンド医師
ikuko最愛のキャラクター(笑)。
ガンの研究をライフワークとしていて、10年に1度出会えるかどうかの、理想のガンにおかされた肝臓をゲットするため、研究者として、まっしぐらに行動する。
このシトが年を食ったら、「ホルテンさん」になるのだヨ。

クロウスホイ医師

若手医師、クロウスホイ
病院に住んで、内部に詳しい利点を活かし、便利屋のようなことをやっている。独自の価値観を持っており、友愛会には入らず、マイペースにやっている。
医師にしては世間ずれしていて融通も効くのだが、ヘルマーに嫌われているため、のちのちえらいことになる。

医学生モッゲ

医学生モッゲ。熟女フェチ。
メスゴー医師長のボンクラ息子で、親からだけは期待されている。
お気に入り熟女、カミーラの気を引くため、自分に似ている解剖用の死体の「首」をチョロマカしてプレゼントしたが、当然そんな冗談は通じず、さらにロッカーに放置していた首が消えたことから、いろんな意味でピンチに陥る。

第一話 さまよえる少女

もと洗濯池。
とりあえず、そんな立地にバカデカイもんなぞ建てんじゃねぇぇぇ~~~と突っ込んでヨシ、な、巨大病院。
キングダムと呼ばれている。

その場に集う生きた人々をはじめ、死人や亡霊にいたるすべてのものどものワビサビを、あまねく抱え込んでいる場所だ。
それは、現在に留まらず、過去にさかのぼって影響しているという根の深さ。

今日も今日とてキングダムでは、いろんな出来事が、あちらこちらで起こっている。
いたかと思えば消えている、救急車の怪。
自分を相手にしてくれない熟女の気を、アノ手この手で引きたい若造。
脳外科手術の失敗で、廃人と化した少女。
逆ギレするスウェーデン人。
医師たちの秘密結社、友愛会。
能天気運動に、無駄に意欲を燃やす医師長。
病院に住み、患者のプチ墓をまつる若手医師。
エレベーターの中で、霊の声を聞く、仮病で入院を繰り返してきた老女。

・・・・・・・・・・・。

こんな話、ガイ・リッチーとかがやったとしたら、大きく名札をつけないと、誰が誰だかわかんなくなるに決まってる。
でも、これにはブラピとベニチオ・デルトロが同時に出たりしないぶん、キャラクターの違いは自然に頭に入ってくるよ。ちなみに、レード・セルベッジアとデニス・ファリーナも同時に出ないので安心。

まぁ、なんつっても、まずはヘルマーの可愛さに尽きるんとちゃう?
すこぶる嫌なやつなんだけど、段々かわいく思えてくるのだ~~~極端にシニカルに描かれてるけど、行動や反応が単刀直入に人間くさい。
エリート意識丸出しの、3言えば10からんでくるような面倒なオッサンだけど、コツをつかめば最も扱いやすいタイプな感じで、愛人のリーモア医師との絡みの、いかにもありそうなキモ面白さがたまりません。
腕前は誇示したいが、失敗は認めたくないので、脳手術の失敗をとがめられて逆ギレしたりするハタ迷惑さだけど、今の時代じゃ、結構絶滅しかけてる種だとも思う。

さてお話は、ドルッセ夫人が息子ブルザーと共に、ついに、エレベーターの上に、少女の亡霊の姿を見た。
そして、沼地だった地面が崩れはじめ、次回へ・・・・。

第二話 御国を来たらせたまえ

とはいえ、1話で地盤が崩れ切るわけもないので、地面の件は、予兆程度のことであった模様。
今日もキングダムではめくるめく出来事のほうが洪水のようだ。
医師長が目を輝かせて推奨する、「朝の空気運動」のステッカーができていたり、麻酔アレルギー患者が、催眠術で脳手術(笑)。とか。
患者は術中、幽霊少女につきそわれていて、どうやら幽霊は「悪い幽霊じゃない」とわかるのです。

一方でボンド先生は、まだ生きてるガン患者の家族に、死んだら解剖させてくれ、とお願いに行って断られたり、もちろんドルッセ夫人も死ぬ寸前の友の協力を得て、幽霊の少女マリーの謎にぐんぐん迫っていく名探偵ぶり。
カミラの睡眠臨床実験室にまんまともぐりこんだモッゲも、悪夢にうなされ、あわてて首を回収するため、ロッカーに急いだ。ところが隠してあった首が忽然と消えているではないか。モッゲ、ピーーーンチ!!

ボンド医師

ともあれ、ドルッセ夫人の勇敢な捜査で、病院創設者オーエ・クルーガー博士の存在が浮かび上がった。
一方、とうとうロマンス関係に入ったユディットとクロウスホイ。だがユディットは前の恋人の子供を身ごもっていた。前の恋人の名は「オーエ」。ん?オーエ?続きはどうなる?

・・・ってことで、やっぱいいな~~キングダム。この続きは、さらにどんどん、ウッソー!!みたいな方向に爆走、ありえないほど面白くなっていきます。
なんたって、大衆を楽しませるためのサービス精神が見てとれるのがスゴイですヨ!!
フォン・トリアーさんのような天才がエンタメを意識した作品は、多くの人を、このようにいとも簡単に楽しませてくれるんだなぁ。
ただ、このタイプのデリケートな天才には、「年食うごと、だんだん大衆を置き去りにして己の世界に没頭していくパターン」ってあると思うので、キングダムに見られるサービス精神は、監督の「若さ」でもあったような気がします。
トリアーさんのバヤイ、もう、こんな作品は二度と撮らないだろうと思うだけに、プレミアもんすよね!

だから、特別な意味をこめて、広くオススメしちゃいたいのよなぁ。出演者がお亡くなりになったりして、未完のままではあるものの、途中まででも面白いので、運良くテレビ放送があれば、迷わず保存するが吉。
アマゾンのアフィリも貼ってはおいたが、廃盤みたいなので、もしなければオークションなどでゲットするもよし。
でも高すぎなんよね!!手が出ないぞ!!
アタイも、昔録画していたテープが行方不明で、なかなか続きの感想が書けません!
どうにかして、リマスター版を安価で出してほしい!

2010年10月18日

キングダム コンプリートBOX [DVD]

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 ▼キング版は、ぶっちゃけ、別に面白くないです。

キングダム・ホスピタル 全6巻セット [レンタル落ち] [DVD]

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「キングダムⅠ第一章」データ

THE KINGDOM (1994年・デンマーク) Riget(原題)

監督//
  • ラース・フォン・トリアー
出演//
  • エルンスト・フーゴ・イエアゴー(スティグ・ヘルマー主任医師)
  • キアステン・ロルフェス(シグリッド・ドルッセ夫人)
  • セーン・ピンマール(クロウスホイ医師)
  • ホルガー・ユール・ハンセン(メスゴー医師長)
  • ブリジッデ・ロービャー(ユディット)
  • ボード・オーヴェ(ボンド病理学者)
  • ピーター・ミュウギン (モッゲ=メスゴー医師長の息子)
  • アンネヴィー・スケルゼ・エッベ(マリー=幽霊)
  • ギタ・ニアビュー(リーモア医師=ヘルマーの愛人)
  • ジェンズ・オッキン(ブルザー看護士=ドルッセ夫人の息子)
  • ヴィータ・イエンセン(皿洗い)
  • モーテン・ロッネ・レッファース(皿洗い)
  • ウド・キアー(オーエ・クルーガー博士)
  • ラウラ・クリステンセン(モナ)
  • ソルビョルグ・ホイフェルド(睡眠実験技師、カーミラ)

X-MEN ファイナル ディシジョン

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X-MEN: THE LAST STAND / ブレット・ラトナー

マグニートーさまがヒドい・・・・

X-MEN ファイナル ディシジョン

自慢じゃないけどアタイ結構、映画を「滑り込みスレスレ」で見る、という習慣に、妙に取り付かれているだよね。
浮世にはまだまだ科学だけでは解明不能な、ナゾが残っているのだろう。たぶん個人的なDNAの神秘っつーやつだと思うんだけど。

そんなワケで今回も、開演時間をほんのちょっと過ぎていることは知っていたけど、「ダイジョビ。まだ予告編中、予告編中。映画の神様、どーぞヨロピク。」と自信マンマンにオープンザドア。
ふとスクリーンを見やると、すでに子供エンジェルが血まみれになって、ハネをムシっているところでした・・・・。

ありゃ~。この私が滑り込んで間に合わないなんて、映画の神様ったら・・・・ダメじゃん!!<コラコラ

 ■続き

そんなワケで、オープニングには間に合わなかったんですけど、そのせいで内容がまったくわからん!!・・・・などということも別段なく、ハデなアクションがミドコロな、筋肉質体育会系映画としてすこぶる面白かったです!!
アレヨアレヨとスピード感のある展開のおかげで、「それで、あれはどうなっているんだっけ?」みたいな、細かいところを気にするヒマがないのはすごいラク!
なんといっても、

「ミュータントの集団なんだから、他にもナンボでも方法があるだろうに、わざわざゴールデンゲートブリッジをもいで、アルカトラズ行きの橋にしちゃった、目立ちたがりのマグニートー様」が良い~。

それに、やっぱりあのマントにあのヘルメット姿っすよね!!よじれます。もうたまらん。
マグニートーが、すっぽんぽんのミスティークをいともあっさり見捨てるシーンで、「せめてマントをかけてやるのか?ここで、やっと、あのふろしきマントが役に立つのか?」と期待したのは、ぜったい私だけじゃないと思う!
なのにあの役立たずなマントは、最後までサーマッケランの背中でハタハタ揺れているだけだった!!
ギャハハハ、参りました!!参ったから助けて!!笑いすぎで死ぬ!!!・・・・と三途の川をかいま見たほど、最大の指圧ポイントとなりました。

まぁ、監督が変わっちゃったせいで、微妙に前2作とは、掘り下げどころが違ってるのかなぁ。なんか、アクションが忙しいぶん内面の葛藤はライトなような。
つーか、苦悩が筋肉化しちゃってる?
ヴルヴァリンの悶絶も、コレステロール控えめなあっさり系、上着は裂けてもズボンは無事!!

そのかわり、デフォルメの進行が深刻な髪型の問題はディープよね。ウルヴァリンがおむすびマン、ローグが宮川彬良に見えちゃうナドトは、とてもじゃないけど、ご本人には言えやしない!

ちなみに前回までの監督、ブライアン・シンガーは、さんざん引っ張ったウルヴァリンの過去をそのままにほったらかして、「スーパーマンリターンズ」にコロっと転んだ模様です。
サイクロップスのジェームズ・マーズデンもスーパーマンにチョイと出演しているらしいです。となるとサイクロップスのトホホな最後は、映画界の舞台裏事情が絡んでる?マーズデンさんが忙しかったとか、ラトナーさんが、「あっち行けやい」とひがんだとか、きっとそんなとこかもなぁ・・・。

だって、コミックでは、サイクロップスとジーンが結婚してるってゆーのに(←マメ知識)、映画であの仕打ち、ふつうだったらやらんやろ。でも好きですけど。原作で主役級のキャラを、ポックリあの世に送っちゃう潔さが男前。
アタイとしても、メガネを変わり果てたサイクロップスに見立てて、悲しみに暮れるゴッコとか、イガイト楽しかったしな・・・。

それにしても、アンナ・パキンちょっと老けちゃったね・・・。ハル・ベリー(40歳)の方が、見た目ずっと若くてショック!
そりから、ファムケ・ヤンセンは今回すっかり妖怪だった。
けど、ふつーの美人やってるより、ずっとよく似合っててよかった~。

ナドナド、ミーハー的感想はいろいろあるけど、個人的に胸を貫かれたのが、エレン・ペイジの存在感っすね!カワイイ。カワイすぎる。フレッシュだ!!萌えっ!ハアハア!!ハードキャンディも絶対見よう!!

ちなみに、私はエンドロール中に席を立ってしまったので、最後のオマケ映像を見てないのです。
話に聞けば、どうも、けっこうブットビなことが起こっちゃった模様。
大きな声ではいいにくいけど、映画好きの超風下に紛れ込んでる程度の私は、エンドロールを最後まで見ないことがけっこうあります。ヨコモジ苦手だし。ゴメン。
だけど、エンドロール後の映像に、本編のストーリーをくつがえすようなシーンを仕込むのは映画として反則じゃんか!とジツは激しく思ってます。
だって、あくまでもオマケだしょ?オマケならオマケらしく、見逃しても悔しくない程度の、お遊び映像にしてほちい。見なきゃ一大事ってほどの大事な映像なら、ちゃんと本編にいれてくれ~!!オネガイっ!

それにしても、ファイナル、とかいう言葉のイメージについ翻弄されてたけど、どうも完結編というわけじゃーないみたいっすね。続きも絶対あるだろう~。まだまだ楽しみは終わらない~。

(2006,10月)

X-MEN:ファイナル ディシジョン [Blu-ray]

X-MEN:ファイナル ディシジョン [Blu-ray]

 
X-MEN DVD-BOX(5枚組)『X-MEN:フューチャー&パスト』収録(初回生産限定)

X-MEN DVD-BOX(5枚組)『X-MEN:フューチャー&パスト』収録(初回生産限定)

 

「X-MEN ファイナル ディシジョン」データ

X-MEN: THE LAST STAND 2006年 アメリカ

監督//
  • ブレット・ラトナー
出演//
  • パトリック・スチュワート (チャールズ・フランシス・エグゼビア教授/プロフェッサーX)
  • ヒュー・ジャックマン(ローガン/ウルヴァリン)
  • ハル・ベリー(オロロ・マンロー/ストーム)
  • イアン・マッケラン(エリック・マグナス・レーンシャー/マグニートー)
  • ファムケ・ヤンセン(フェニックス/ジーン・グレイ)
  • アンナ・パキン(マリー・ダンキャント/ローグ)
  • ケルシー・グラマー(ヘンリー・マッコイ/プロフェッサーD/ビースト)
  • レベッカ・ローミン=ステイモス(レイヴェン・ダークホルム/ミスティーク)
  • ジェームズ・マーズデン(スコット・サマーズ/サイクロップス)
  • ショーン・アシュモア(ボビー・ドレイク/アイスマン)
  • アーロン・スタンフォード(ジョン・アルダーダイス/パイロ)
  • ヴィニー・ジョーンズ(ケイン・マルコ/ジャガーノート)
  • ベン・フォスター(ウォーレン・ワージントンIII世/エンジェル)
  • マイケル・マーフィ(ウォーレン・ワージントンII世)
  • ダニア・ラミレス(カリス )
  • エレン・ペイジ(キティ・プライド/シャドウキャット)
  • ショーレー・アグダシュル(カヴィタ・ラオ博士)
  • ジョセフ・ソマー(大統領)
  • ビル・デューク(トラスク)
  • ダニエル・クドモア(ピーター・ラスプーチン/コロッサス)
  • エリック・ディーン(マルチプル・マン)
  • キャメロン・ブライト(ジミー/リーチ)
  • オマイラ(アークライト)
  • ケン・レオン(キッド・オメガ)

エグゼクティブ・デシジョン

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EXECUTIVE DECISION / スチュワート・ベアード

内容はともかくとして!

ラット役の ジョン・レグイザモのかっこよさに尽きるっしょ。
てっきり二枚目かと思ってたんだよ、「スパン」のスパイダー・マイクをみるまでは!
アタイ、レグイザモって呼びにくいから、クワズイモ、クワズイモゆーてたんですけど、友達のTちゃんなどは、 カイル・マクラクラン のことを、「かえるとまくら 」と呼んでいたことが発覚、まだ私の方が良心的だ!と一安心。うん、どうでもいいっすね。

とにかく、黒装束がジョンにめっちゃ似合ってて、一気にファンになりました。
あれよね、黒装束とゆうのはやはり、黒髪でちょっと暗い表情の、スリム(ただし筋肉つき)な人が似合いますよね。

たとえば、ブルース・ウィリスなら、汗まみれのランニング以外はもう着るな!ってぐらいにトレードマークになってるように、ジョンには黒装束以外、もう着せちゃアカン。俳優業が行き詰っても、見かけでハッタリかましちゃえば、忍者に転職できると思う!

さて、本題とゆーか、今ではすっかり有名なあのシーン。
自信満々に現れて、早々と吹っ飛んでいくあのハナクソに(アタイ@セガールも好き、ホントホント)、嫌 な上司の顔なんぞ貼り付ければ、もうストレス解消まちがいなしやね。
ホメオパシー&フラシーボとりまぜれば、下手なハリや整体よりキくかも。

で、どんな内容だったっけ? 

エグゼクティブ・デシジョン [Blu-ray]

エグゼクティブ・デシジョン [Blu-ray]

 

 「エグゼクティブ・デシジョン」データ

EXECUTIVE DECISION  1996年 アメリカ

監督//
  • スチュワート・ベアード
出演//
  • カート・ラッセル
  • ハル・ベリー
  • ジョン・レグイザモ
  • オリヴァー・プラット
  • スティーヴン・セガール

フリーアイコンPart1

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映画キャラクター似顔絵アイコンその1

えーと、アタイ、映画イラストを描く時に、勢いあまって、GIFアイコンを作ってしまうことがあります。
まぁ、サイズも適当、処理も適当、単に好き勝手に作ってるだけのシロモノですので、今時需要があるとも思ってないのですが、万が一、使い道がある方がいらっされば、どーぞご自由にお持ちください。

ちなみに、条件などは別段ありませんのです。
あっ一応、背景は透過です。時々、つーか、けっこう失敗作もあると思うけど、そこは愛嬌、ということで。

「死霊のえじき」より

ロメロゾンビシリーズ3作目。
総体的にキャラが立っていて面白いのだ~。

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「ダークナイト」より

バットマンシリーズ。
ジョーカーは、ヒース・レジャー。

ヒース、アタイを置いてなぜ死んだ!!

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ダークナイト [Blu-ray]

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「デリカテッセン」「ロストチルドレン」より

ジャン・ピエール・ジュネと、マルク・キャロによる傑作。

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デリカテッセン [Blu-ray]

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ロスト・チルドレン [Blu-ray]

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「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」より

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ウルヴァリン:X-MEN ZERO [Blu-ray]

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ヴァン・ヘルシング

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Van Helsing / スティーヴン・ソマーズ

ヴァン・ヘルシング

リチャード・ロクスバーグのドラキュラが濃い!

むー。
最初はんむむ?「シュレックだっけ?」と見まごうほどの、お子さま向けアニメ。つーか子供だまし?って、子供に失礼?だってスチームボーイあたりが標準の、イマドキの子供は、もぅ騙されないよね。
確かに映像はハデだけど、肝心の動きが雑なんだもん!!!

そして、ぶっちゃけリーグオブレジェンドか?と見まごうハイド。
アングルの切り替わり方とかスピード感とか、見せ方のセンスとか怪しいバカバカしさなんかが、テンションをあげてくれる分、なおのこと些細な手抜きが残念なんだよね・・・・。

でもよくよく考えたらこの映画、監督がスティーブン・ソマーズさんだっけ!あ~~、そうなんだ~~。

 ■続き

ソマちゃんの映画なら、なにはさておき身を乗り出して、ジェットコースターな成り行きにキャーとかヒーとか言っといて、エンドロールを見送ったあとは、きれいさっぱり忘れてあげる、というお作法が、この世で最も正しいはず!!
どうせ2も出るんだろうけどもぉ全然大丈夫。その時は1のあらすじを、わずか1行思い出せばいいだけ。
「そおいえば、子孫繁栄に燃えるドラキュラを退治する話があったっけ~~」と。
っつーか、やっぱ、その一行すら思い出す必要、ないかもな・・・。
ヘンに知識を仕込んでおくと、「なんだこれはっっ!!」って眉間にシワが寄ることになって、美容にもよくなさそうだし、ジャンル的にも、頭がカラッポなほど、無邪気に楽しめるのは間違いないのだ。

まあ、カラッポすぎるとたまにウルヴァリンな副作用が出てくるけど、そっちはべつに大きな障害じゃないよね!
たとえば、 スキヤキと思って食ったナベにサバが入ってた!と思えば頭沸騰もするけど、はじめから闇ナベかごった煮とでも思えば、サバだろーがタコだろーがゾウリだろーが、入れば入ってるほど嬉しいもんだし!!
実際、プハっと笑える小ネタが多くて、こういうサービスの鍋なんだ、と思えるから、決してキライな映画ではないのだ。

ともかく、内容は結構無茶苦茶で大雑把。でも、ドラキュラの花嫁の筋肉質な羽とか、パコン!と変わり観音開きな、フランケンシュタインの頭部とか、妙なところに神経が集中してるっぽくて、思わず目が細まるほどいとおしいっす。

正体に変身しちゃったドラキュラの髪型なんか、「あたしんち」のおかあさんかと思ったし!!!やっぱ、あのシリアスキャラにあるまじき生え際を見てしまった今となっては、ドラキュラにもいろいろ苦労があるかも!!などと、親しみと同情を感じずにはいられない。
しかもドラキュラがロクスバーグ様で子宝ネタだからなぁ・・・プププププ。い、い、いかん。やっぱオモシロすぎるワ・・・。

ただ、関係ないけど、私はケイト・ベッキンセール(アナ)だけは、苦手なのです。走る姿はめちゃめちゃカッコいい!と思えなくもないんだけど、王女というには気品がイマイチ・・・、つーか、アンダーワールドも辛かったしなぁ・・・・。
やっぱ、パールハーバーの後遺症は、思いのほか深手であった。

で、最後にああなるのって、やっぱ、続編には出ないぞ!っていう伏線なの?

2004年9月

ヴァン・ヘルシング [Blu-ray]

ヴァン・ヘルシング [Blu-ray]

 

「ヴァン・ヘルシング」データ

Van Helsing 2004年 アメリカ

監督//
  • スティーヴン・ソマーズ
出演//
  • シュラー・ヘンズリー
  • ウィル・ケンプ
  • エレナ・アナヤ
  • シルヴィア・コロカ
  • ジョジー・マラン
  • ケヴィン・J・オコナー
  • アラン・アームストロング
  • トム・フィッシャー
  • サミュエル・ウェスト
  • リチャード・ロクスバーグ
  • デビッド・ウェンハム
  • ヒュー・ジャックマン
  • ケイト・ベッキンセール

鴛鴦歌合戦

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鴛鴦歌合戦 / マキノ正博

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現代にも色あせない楽しさ

いやぁ、すごいなあ。
噂には聞いていたけど、これほど吹っ切れた映画だとは。

そもそもこれは、「日本で最初のオペレッタ映画」だの、「たった4日ででっちあげた作品」だのという、いかにもソソる風の噂を聞きつけながらも、なかなか実物に巡り会うチャンスのない、幻の映画だったのだ。
手に入らぬゆえに募る複雑な思慕の情。 ……がクライマックスに達そうかというまさにその時。

まるでハリーポッターの梟郵便のように、不思議な経路で私の手元に降ってわいたのだ。時忘れもしない11月17日。
アタイについての、WEB上の最小限の情報で、プレゼントしてくれようとした人もすごいし、住所も名前も不完全な宛名で、我が家まで届けてくれた郵便屋さんもすごい。
念ずれば叶う!ということってあるんだなぁ。
本当にありがとうございました。

……ってまぁ、入手経路はともかく、映画の話ね。

 ■続き

これはー……たぶん主役は千恵蔵ちゃんなんだと思うけど、実際は誰が主役でも困らんことだし、まぁいいかという感じです。当の千恵蔵さんも、そんなふうに思ってるカンジです。
実際、キャストの豪華さには強烈なものがあって、ディック・ミネ扮するバカトノが、主役だと言われても、満場一致で納得だろうなあ。

しかしバカトノよりも礼三郎(千恵蔵)よりも狂斉(志村喬)よりも、ダントツでやっぱし「お春ちゃん(市川春代)」の魅力っしょ!!
もうね、お春ちゃんキャラには脳天から足の裏までビビビと稲妻が突き抜けるような、カルチャーショックを受けました。
だってお春ちゃんカワイイ。カワイイんだよ。のぼせるあまり、脳卒中起こしそうなほどカワイイ。ときめくあまり、心筋梗塞っちゃいそうなぐらいカワイイ。
気が強くてヤキモチ焼きで、鼻の奥から甘えた声(音?)で、「ンモー、知らないっ」なんちゃってクネっとスネるという、1歩まちがえば鼻持ちならないフクロダダキもののキャラクターなんだけど、それが死ぬほどノープロブレム、つーかむしろブラボーでエクセレントでハレルヤなのだ。

実際、アタイがあんな仕草を真似たとしたら、総スカンを食らうか、総スカンク小屋に入れられるか、鏡張りの隔離病棟に入れられて、気が狂うまで、出してもらえないに違いない。
でもお春ちゃんがあれをやると、マジカワイイのなんのって、鼻の下が伸びまくる。
ああお春ちゃん、結婚して!!などと、アタイでさえ思わずウワゴトを言ってしまう!恐るべし市川春代!!

はあはあ。

……と、恐るべしな市川春代に尽きる映画だと思うけど、もちろんそれだけじゃないのでした。

たとえば片岡千恵蔵ちゃん!
ただの大岡越前のおとっつぁんだと思っていたら大間違い。
歌うんだもん、大岡越前のおとっつぁんが(大岡越前の父から離れられないアタイ)!! 
しかもスジガネ入りに貧乏人が好きで、金持ちが嫌いという、それもどうなん?とツッコメるキャラなのだ。
いや、ここのところをあなどってはいけないのだ。アメリカ人ならともかく、ワビサビな日本人にとっては、このキャラは反則すぎるんじゃないのかなぁ。
おかげでラストでわたくしは、ツッコムどころか、ひっくり返って大笑いをさせていただきました。

内容自体は、単純明快なんだけど、お話の、脇を固める歌と番傘が圧巻すぎて、白黒映画なのに、天然色のごとき盛り上がり。 
にわかにサササとでっちあげたといわれる映画なだけに邪魔なウンチクはなにもなし。
けど一方で、骨董あつめが趣味の志村喬が茶碗に寄せる歌なんかは、セツ!としみる、しみまくる。

アタイ的に、笑ったり唖然としたり沁みたりしながら、番傘で目玉ぐるぐる回しているうちに、あれよあれよの大円団!
いやもう、ホント、なによこれ!!!
暗い世相のあの時代に、こんなノーテンキ映画を撮れる、マキノ監督って凄い人だなぁ!! 

結論、せっかくシモフリな腹筋がチャームポイントだったのに、笑いすぎで腹筋が割れちゃいそうで大変だった映画。

2001年11月

▼HDリマスター版が出てるなんて、いい時代になったよね!

「鴛鴦歌合戦」データ

鴛鴦(おしどり)歌合戦  日本 1939 年

監督//
  • マキノ正博
出演//
  • 片岡千恵蔵
  • 香川良介
  • 志村喬
  • 遠山満
  • 尾上華丈
  • 石川秀道
  • 市川春代
  • 服部富子
  • ディック・ミネ

えびボクサー

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Crust / マーク・ロック

えびボクサー

戦うシャコのハリボテ、ミスターC

チラシの写真はいかにもエビ。
プリプリプリっと、わりかし美味そう!!
けど、ホンモノ(?)の、動くえびボクサー(ミスターC)は、なんだか模型だったのだった。

つーか、正式名称、巨大カマキリエビ??ってイコール、外見から判断してストレートに言わせてもらうと、フジツボ背負ったシャコのハリボテ??
か、か、看板に偽り?ジャロってなんジャロ?
か、か、か、観客をバカにすんなーー!……じゃ、なくて、そのハリボテが

か、か、か、かわいーい!!!んだよね……相当(困)。

ファイトでバコン!と唐突な、敵の張り倒し方も、モサササササ……という微妙に俊足な移動ぶりも、ゴボゴボゴボとくつろぐ様も、何はさておきラブリー。
そんなミスターCの、もの言いたげな瞳にウルウルと見つめられると、そりゃー長すぎる孤独が身にシみる!なんてビルのいきなりな台詞も、わかる、わかっちゃうんだよね、これがまた!!!文句?ないない!

 ■続き

感想

アタイ、テレビで見たんだけど、シャコのパンチって凄いよね。
その、シャコの体長が2mもあるとなれば、そりゃボクサーとして鍛えたら、ものすごい看板ファイターになるって決まっているもん。
ボクサー崩れのダメ中年が、一旗あげることをもくろんで、巨大シャコに目をつけたのは、力いっぱい正しいと思う!

あとはそんなエビ(シャコ)の世話をするうちに、情が移っていく展開で、当然アタイも感情移入。もしかして、ちょっといい映画なんじゃない?と気が迷う。

え?ちょっといい映画?ちょっとまてまて。

B級しかもエビだよね?
ぶっちゃけ抱腹と絶倒ギャグで、全てをなぎ倒すような展開を、アタイ期待してたんじゃなかったっけ?

ところが蓋を開けてみれば、いわゆる寅さんカテゴリー。
これって、言うなれば、ターメリック抜きのカレーのような?PTAの都合でフォークダンスに明け暮れる運動会のような?コンニャクで作った、ベジタリアン仕様のステーキみたいな?
そんな気の抜けた映画、ってことでいいのよね?

アタイ、期待はずれで暴れるべきなの?

けど、顔面神経が勝手に、アタイをニコちゃん面に仕立て上げてしまったのだ。何はさておき、ハレルヤおめでたい。
何を目指しているかは不明の、下品なネタに向かって、のほほんと、雅に笑っているうち、 愛がモッコリ盛り上るんだよ。
ささやかに、夢で巨大寿司に襲われる程度には、影響受けてるかもしれませぬ。

というわけで、ただひたすらにエビの愛らしさに和む自分を、許します。

宣伝の仕方も間違ってるよ。
『イギリスでは動物愛護団体からエビを虐待しているとのクレームがつき、 上映禁止になった』 ってことなんだけど、んじゃ、いきなり張り倒されたサメの立場は?って反論するよね。
しかしその宣伝効果のなさまでもが、妙に愛らしく思えてしまう。

カミングアウトさせてもらうと、アタイはこの映画が、相当好きだ!

2004年2月

えびボクサー [DVD]

えびボクサー [DVD]

 

「えびボクサー」データ

Crust 2002年 イギリス

監督//
  • マーク・ロック
出演//
  • ケヴィン・マクナリー
  • ペリー・フィッツパトリック
  • ルイーズ・マーデンボロー
  • マドハブ・シャマ

個人的偏愛健忘録映画監督編

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トピック「映画監督」について

好きな映画監督を並べてみます(微妙な温度順に12人ずつ)

いや、ちょっとまえ、ツイッターで「#好きな○○を10人あげて趣味を晒せ」、みたいのを何パターンか見かけてて、アタイもいろいろ、「ハテ?」と考えてみたのだが、所詮整理下手なアタイです、どれも10人なんかに絞れっこなかったのだ。

ゆえ、誰に迷惑もかからないであろう、このようなwebの果てに、そっとダラダラ並べてみることにしましたヨ。
まずは監督編、心を鬼にして絞りに絞って、結局合計48人なり。
言うなればEKB48、E(えいが)K(かんとく)B(ベスト)48だヨ。でも数字は某アイドルグループとは、縁もゆかりもない偶然ヨ。
過去の人も含めれば、映画監督っていがいとたくさんいるもんねぇぇぇぇ。

 ■続き

■ かなり好き

ヤン・シュヴァンクマイエル
ギレルモ・デル・トロ
アッバス・キアロスタミ
ミヒャエル・ハネケ
ラース・フォン・トリアー
キム・ギドク
スタンリー・キューブリック
デヴィッド・クローネンバーグ
コーエン兄弟
デヴィッド・リンチ
ジャン=ピエール・ジュネ&マルク・キャロ
ブライアン・デ・パルマ
(思いついた順)

■ けっこう好き

ロブ・ゾンビ
テリー・ギリアム
ユルグ・ブットゲライト
アキ・カウリスマキ
M・ナイト・シャマラン
ターセム・シン
ヴィム・ヴェンダース
アレックス・デ・ラ・イグレシア
デビッド・フィンチャー
三池崇史
ポール・バーホーベン
リドリー・スコット
(順位はなし)

■ 時々好き

ピーター・ウィアー
ピーター・グリーナウェイ
ティム・バートン
ロマン・ポランスキー
ピーター・ジャクソン
ダニー・ボイル
ペドロ・アルモドバル
ダリオ・アルジェント
フランシス・フォード・コッポラ
ガイ・リッチー
ウィリアム・フリードキン
オラフ・イッテンバッハ(事故物件)
(順不同)

■ 好きだし・・・

トム・テイクヴァ
ジョン・ウォーターズ
チャウ・シンチー
宮崎駿
ニール・マーシャル
石井聰亙
ジョージ・A・ロメロ
クライヴ・バーカー
ヴェルナー・ヘルツォーク
ミルチョ・マンチェフスキー
クサヴィエ・ドラン
ロバート・ロドリゲス
(順適当)

ギレルモ・デル・トロ


うむうむ。こんだけ欲張って挙げたけど、それでもいっぱい抜けてる気がする。
つかこういうの、監督の名前を次々と思い出すたびに、いろんな映画が走馬灯のように脳裏を駆け抜けるので超楽しい。
そのうち、好きな作品なんか、アレコレ発掘してみたりしたいなぁ~。

2013年9月

映画感想一覧

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映画感想index

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レンタル映画のトラップ

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アクションもクライマックスもないアクション映画!

ダイハード4

※画像はイメージです。今回、ダイハードは関係ありません。

レンタルで、うすうす予感しつつハズレを引くとき

映画が好きで、たとえ時間やお金が湯水のごとく有り余ってたとしても、どうせ見るならオモロイ映画だけを見たい!!!
それが人情ってモンですよね。アタイも、ツネヅネ切望しております。

けど、人情ってモンはわりと流されやすいので、たまにフラリと魔が差すちゅーか、レンタル店で、ホコリっぽくて得体のしれない、埋もれた映画のパッケージがフト目にとまり、「やや?これは?」ナドト手にとってみたりする事故が起こりますよね。 

それは、知られざる掘り出し物かもしれないし、究極の最低映画かもしれない!!
発熱で頭がどうかしてる時とか、歯が痛くて発狂してるような時とか、わが身のコンディション次第では、そこにロマンの幻覚を見る。
そうだ、太陽に顔があってもいいように、映画鑑賞がバクチだって、いいじゃないか。

今日見たやつは、まさしくそんな、イチかバチかのヤクザな一品。

 ■続き

内容はといえば、アクションの傭兵もので、「好み」的には、申し分のないジャンルです。
「聞いたことがあるようなないような題名」とか「見たことも聞いたこともない俳優さんが主役」という現象は、当然嫌な予感を伴うけども、大穴というものは、そういう部分に空くのである、とヘリクツこねて、嫌な予感を振りほどく。

さてアタイのはちきれそうな期待の結末やいかに?

つーか、カポって。ほら。アゴが。期待と一緒にカポって。外れました。
まぁ、実際見始めてロマンとか大穴とかの憑き物がコロっと落ちたら、当然すっごくつまんないです。
でも、アタイのアゴは丈夫だから、つまんないぐらいの小さなことじゃ~、外れません。
話にメリハリがまるでないとか、主役の傭兵がずえんずえん強そうに見えないという残念さぐらいはノープロブレム。
史上最悪のはずの敵すら、アタイのラリアットで簡単に倒せそうだけど、それは、きっと主人公や敵が弱ちいのではなく、アタイが強すぎるんだよな。

ただ、仰天なのが音楽なのだよ!!!

映像は、めくるめく単調、果てしないダラダラ!
ぶっちゃけつまんない、と言うのさえ、つまんない映画に申し訳ないぐらいの、つまんない映画のカスを絞ったデガラシみたいな映画だったと思うんです。

そんな映画の音楽なら、おとなしく民謡でも流していればいいものを…………あろうことか、トッテモ 劇的 、恥ずかしいほどドラマチックな曲が、えんえんと途切れもせずに続くんですよ!!!
曲だけ聴いてれば、壮大で壮絶で、むやみに盛り上がって最初から終わりまでクライマックス!

史上最悪の戦いが地味すぎて、奈落のごとく盛り下がっていく 映像の傍らで、ひとりよがりの音楽だけが、ドンドン盛り上がっていく んです。 これを、普通は、「逆効果 」と言うんだと思います……。

さすがにアタイも、ここまでひどいものを見たのは初体験、どう反応すればいいのかわかんなくなって……思わず3倍速ボタンに手をかけました。

しかし私は迷いました。
これはアクション映画に見せかけた、反面教育映画なのかも知れぬ。
あるいは、究極の最低映画を装って油断させながら、随所にサブリミナル効果が埋め込まれた、北朝鮮のワナかも知れぬ。
それとも、私ごとき凡人には理解できない、あたらしいセンスか芸術かも……。

だって、この映画、タダじゃないんだよ!!
そもそも「有料である」ということは、「なんらかの価値がある」ことでなければならないはずよね。
もし、プロとしてはありえないレベルのこんなデタラメなモンを、れっきとした商業ベースに、収入の手段としてポイっと乗せて、「な~んちゃって!」で終わる業界なら、よかったらアタイを就職させてください・・・もはや滅亡目前よ。
業界の滅亡はアタイとしても困るけど、北朝鮮のワナでないなら、製作者が王族、とか、マフィア大物のコネクション、とか、映画界の良心が逆らえないようなよっぽど深い意味がなきゃ、納得できないわけなのよ。

うん、やっぱり3倍速などで、逃げてはならない!!せめて、マイクロサイズのひとつでいいから、ミドコロを見つけなきゃ、なにかと自分の気持ちに折り合いがつかねぇぇぇ!!!

~~~~~♪
……………………。エンドクレジット………………。………………。

ふぅ私は偉かった。
ちゃんと最後まで見て、淡々と鼓動するアタイのつぶらな胸には、もう皮肉もなにもなく、このような、

アクションとクライマックスのないアクション映画(音楽は始終たれ流し←サービス)

を押し付けて、観客からお金をボッタクった人は、いろんな意味でもの凄いなあと、心底感服しました。
まぁ、どうせつまんない映画なら、ここまで徹底してさわやかに、「ダメ」を貫き通してくれたぶん、アタイとしても、立ち直りが早くて良かった。

(1999,3月)

ちなみに、↑の映画ほどじゃなかったんだけど、コレもヒドかったよね。↓

マイケル・マドセン

マイケル・マドセンなにやってんだ~~~!
と思わず叫んでしまったがな。

いや、それ以前にアタイの、映画選びの能力がアレ、という、悲しい話なんですよね・・・。早く、お利口になりたい!!

1999年ベスト映画

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1999年 マイBEST 12

ジェニファー・テイリー

あくまでも独断と偏見なので怒らないで・・・

  1. 鮫肌男と桃尻女
  2. ビッグ・リボウスキ
  3. ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
  4. ワイルド・ゼロ
  5. 運動靴と赤い金魚
  6. ファイト・クラブ
  7. ロックストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
  8. シックス・ストリング・サムライ
  9. ブレイド
  10. マトリックス
  11. ラン・ローラ・ラン
  12. 地雷を踏んだらサヨウナラ

 ■続き

言い訳

我ながらどうかしてるな、って自覚はあります。
鮫肌男と桃尻女はサントラまで買ったりして、何やってんの、アタイ、って感じ。
そういえば、シックス・センスもすごく良かったので、入れようかと思ったんです。でも、シックス、・・・と入れて、ふと気がついた時には、続きがストリング・サムライになっちゃってたんです。
たぶん、なにかに操られていたんじゃないかなぁ。
もしかして、宇宙人にチップ埋め込まれてんのかもしれない。


そういえばキラーコンドームも1999年ですよね。
あと、チャイルドプレイ、チャッキーの花嫁ね。
震える右手を左手でおさえて、その二つをランクインさせなかったのが、アタイの良心でございます。


その他'99年は、バッファロー'66や黒猫・白猫も面白かったです。ライフ・イズ・ビューティフルも良かった。ロベルト・ベニーニは慣れるまでちょっと時間がかかったけど、やっぱすごい人ですよね。

ちなみに、ラズベリーはもちろん「梟の城」。

ヒトコト

▼イランの監督は、キアロスタミ監督だけじゃないんだな、って感動した。
思うところは人によって違うんだろうけど、アタイはこの、「イラン」の子供たちに、そして大人たちに、複雑な感情を寄せると共に、胸を締め付けられてしまったもんなぁ。

運動靴と赤い金魚 [DVD]

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▼ともかく、萌える。ずり落ちたメガネをぐいっと戻すの、カッコいいんだよ!!

シックス・ストリング・サムライ [DVD]

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 ▼オススメされたから見たんだけど、実在した、一人の戦場カメラマンを描いている映画で、最初、面白い、とは思いませんでした。でも、だんだんとジワジワくる。本当にジワジワくる。

地雷を踏んだらサヨウナラ [DVD]

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(2000年4月) 

項羽と劉邦 King's War

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楚漢伝奇 前半 / ガオ・シーシー

項羽と劉邦kingswar

至上最も豪華な項羽と劉邦

アタイね~、昔から妙に好きなんですよ!!項羽と劉邦のお話が・・・。
どのような切り口であれメディアであれ、項羽と劉邦がからむなら、できればゼンブ、目を通したいなぁと思ってるんです。それがたとえ、全何十話あろうとも・・・・。フー。

とゆーわけで、命からがら前半40話くらいまでを見ましたので、後半を見る前に、独り言として、なんか書いておくことにしました。


それにしても最近の・・・ガオ・シーシーものと言ったらいいのかな、もうシロート目にも、諭吉の乱舞がわかるので、おせんべポリポリなんかしながらユルーク見てると、「もしや正座で見るべきなのでは?」と、ふと白足袋を探すほど・・・。


ともかく、俳優、大道具小道具エトセトラ、すべてが圧倒的に豪華絢爛。
特に衣装が眼福でござる。なんせ手が込んでるもんねえ、劉邦軍の、バッチィ衣装に至るまで、質感あって、すごく良い!

あと、始皇帝の乗ってた馬車?って言っていいのかな?つーかキャンピング輿?どっちかというとキャンピングリムジンと呼ぶべき?
あれにはまったく驚きました。あの時代設定で、セレブ仕様のお部屋がまるごと移動してんだもん!
なんかいろいろ、唖然というか、アッパレすぎる!!

 ■続き

けどまぁ、ぶっちゃけ序盤は、どうでもいいようなエピソードがダラダラと続くし、こんな感じの水増し話が80話も続くのかと思うと、思わず気を失いそうになったりしました。

そもそもアタイ、ダオミンさんが大好きで、ダオミン劉邦に絶大なる期待を寄せてたんですよね。
ところがアリャリャ、ダオミンさん演じる劉邦のキャラが、なかなか魅力的に見えてこない。
なんか、腹に一物ある感じばかりが強調されて、劉邦のチャームポイントであるはずの、かわいげの部分があんまし伝わってこないんだもんなぁ。
そこは本当に意外であった。

でも、アジアきってのイケメン、ピーター・ホー演ずる項羽の鎧姿が、血の海にそそり立つシーンなんかを見ると、アドレナリン出まくりで、鼻血出るかと思った。
飛び散る血肉はCGやけど、アタイ、その点は気にしない。


ただ、中国時代劇を見るにおいて、ぜったい避けられないはずの、下手なホラーよりずっと怖かったアレ、残酷な大量殺戮やら壮絶な戦死、むごい処刑の場面などがサクっとライトに流されるせいなのか、話の奥行きはやや浅め?
まぁ、家族で見られる全年齢対応テレビ仕様なのだろうから、そこは仕方ないのかな!!


つーか、このドラマはもしかして、歴史ものの皮をかぶった、「ひでぶであべし」なあの路線を、狙っているのかもしれませぬ!!
中国時代劇から、「権力にまとわりつく、いびつにねじれた感情の底知れないおそろしさ」ってやつを軽減させると、きっとスポ根になるんだな。
でも、項羽がイケメンすぎるせいか、スポ根の中にドッサリと仕込まれたサービス・・・・というか、ロマンス部分は、ちょっとクドめ?
個人的には、戦国ものにおけるロマンスは、やりすぎないほうが美しいと思ってるんだけど・・・。


ともあれ、お話にだんだん、引き込まれたのは、焚書・坑儒(ふんしょ・こうじゅ)のエピソードあたりからでした。
なんてったって、中ボス、趙高さんの出番が増えると、俄然ドラマ感が増しますもんね!!
ましてこのドラマの趙高さんは、プクっとしたふてくされ顔が可愛すぎ!!他のドラマで汗臭い役をやってたなんて信じられないほど、プリティーでビューティホー。
なのに目的のためには、臭いはじめた死体とだって、しばらく生活を共にする!ってすごい根性発揮したりなんかしちゃってて。
ああたまらん。もういっそ、主役にしたらどう?と思うぐらい。

項羽と劉邦 King's War


そしてもう一人、最高なのが范増さん。
これまで見てきた楚漢ドラマのなかで、一番好みの范増さんです。風になびくおくれ毛、後ろに倒れすぎた姿勢、ムっとしてるへんくつジジイぶりが、本っ当~~~に可愛い!んでもって声がまたいいのだ~。
こんなステキおじいちゃん、アタイが項羽だったら、絶対憤死なんかさせないぞ!!


一方、個人的にいまいち困ってるのは韓信かなぁ~。
たぶん役者さんの顔がちっさいせいなんだろうなとは思うんだけど、ゴッツぃメンツにぐるっと囲まれ、まったく大人物には見えませぬ。
ぶっちゃけ、項羽軍にいたときの、足軽ぶりは衝撃でした。石を並べてブツブツと、誰に頼まれもしてない作戦を練ってるその姿は、サヤにおさまったそら豆みたい!

kingswar

おかげで、やっと大将軍になってからも、痛々しさが消えなくてつらい。

つーか、このドラマの合間に、「王的饗宴」のチャン・チェン演じるりりしくも美しい韓信を見たもんだから、余計に残念さがつのるのかもしんないなぁ・・・。

項羽と劉邦 鴻門の会 [DVD]

項羽と劉邦 鴻門の会 [DVD]

 

ともかく、韓信の見せ場がやってくるはずの後半までには、もっと感情移入できますように!!


あとは、薄姫のキャラがおもしろい。
なんせ、他のどのドラマよりインパクトあって笑う。
たぶん、呂雉(チン・ランさんだし)をヒロイン枠に置いたせいで、その他のキャラ設定にねじれが生じたのではなかろうか。
劉邦にはあまり相手にされなかったけど、高い世渡りスキルを駆使して、劉恒を文帝に押し上げた!!・・・ってことなら、たしかにああいう感じになるんかもよねぇ・・・。
ともあれ、そういうちょっと新しい人物像に対して、これまでのスリコミが干渉すると、ちょっと気が散りそうなので、やっぱこのドラマ、歴史エッセンス入りのエンタメ、として、割り切ったほうが楽しそうな気がします。

登場人物

あっそうだ!
登場人物を、顔写真入りで整理したら、わかりやすくてイイんじゃない?
・・・と思ってテケトーに手をつけたものの、あまりにも人数多すぎて気が遠くなったのと、了承なしにキャプチャ画像を載せるのはやっぱマズイかも?とドキドキするし、だからといって、大量の似顔絵を描くのもメンドイので、とりあえず今はこんだけ(笑)。
あくまでも自分用のメモなので、このドラマ限定のくくりではなくて、いろいろごっちゃになっています。
気が向いたら増やしていこう、という気はあるんだけどどうなるかな~。


秦始皇帝

秦始皇帝 嬴政(えい せい)

生きてる間は中国のトップとして君臨し栄華を極めたであろうこのシトも、最期は死臭を放つまで埋めてももらえず死を隠され、死体で巡遊を続けるハメとなる。
書いた遺言はポイされて、大嘘の遺言を捏造されるしの、さんざんな死亡直後。
権力者のお決まり目標、不老不死にこだわって、徐福の口車にコロっとひっかかるのもオチャメ。
いろんな人が始皇帝役をしていたけど、このドラマのユー・ホーウェイさんは、低音でのぼそぼそっとしたしゃべり方が、なんとも暗くてええのよのぅ~。


胡亥

二世皇帝 胡亥(こがい)

アタイのアイドル胡亥さん。
趙高めにそそのかされてのフライング棚ボタ即位で、大はしゃぎしてハジケまくる可愛いバカトノ。
結果的には親にもらったお国をまるまるぶっつぶしてしまい、あげく若くして命を落とすという自業自得を食らう、天下のトホホ皇帝なのだぁ。
そんな残念な運命を背負ったこのキャラを、ユー・ビンさんが、顔面の筋肉を駆使しつつも、すがすがしく演じておられて萌えます。
スピンオフ希望!!


晨曦


公主 晨曦 (しんぎ)
扶蘇の娘で子嬰の姉。始皇帝の孫に当たります。
でもたぶん、ドラマ用の登場人物だよね?
実際にいた人とは思えないんだけど・・・。
登場した時点では、胡亥と並ぶアホ姫?と思ったのだが、意外と利発な姫様じゃった。それに、好きな顔だ(笑)。
宦官の、拷問部屋に閉じ込められるシーンは怖かったなぁ~。


  • 子嬰しえい(始皇帝の孫、気がふれたふりをして、リベンジを狙う。胡亥の死後、中ボスをやっつけて秦王となるけど、すぐ項羽にやられちゃうんよね。)
  • 淳于越じゅんうえつ (儒者。、焚書・坑儒のエピソードで出てくる。)
  • 徐福じょふく (不老不死をネタに、始皇帝をだまくらかすアッパレオヤヂ。)
  • 公子高こうしこう(始皇帝の子。趙高の手前、始皇帝に殉死するより他、一族の命を救う手立てがなかった。)
  • 殷通いんとう (会稽の郡守。態度は大きいけど小者なおっさん・・・。)
  • 叔孫通しゅくそんつう (太傅。なにかと、見せ場の多いおじいちゃん。)
  • 張林ちょうりん (晨曦の侍医。お話に重要に関わるフラグだけは立ってるけど・・・。)
  • 明花めいか (趙高の息のかかった女官)
  • 王離おうり (官軍の将)
  • 李良りりょう (趙国武将、秦に降伏する。)
  • 趙成ちょうせい (趙高の弟。ふうん、て感じ。)
  • よう (子嬰の娘。このキャラ、必要だったのかなぁ?)
  • 項燕こうえん (楚の大将軍。項羽と項荘の祖父。項梁と項伯の父。出番は短いけど、インパクトはある)
  • 項伯こうはく (項燕の子にして項羽の叔父。張良に恩があって、劉邦軍寄り。)
  • 虞子期ぐしき (項羽の友人にして虞姫の兄。)
  • 項庄こうしょう (項羽の弟。)
  • 鐘離昧しょうりまい (項羽の友人。項羽軍で芽の出なかった韓信に目をかける。最後を思えば悲しいのう・・・。)
  • 宋義そうぎ (楚の宰相。なんちゅーか卿子冠軍、ひどい描かれかたすぎて笑う。)
  • 項狄こうてき (項羽の部下で虞姫の父の仇。・・・ってエピソード、別になくてもよかったのでは・・・。)
  • 魏豹ぎほう (魏王の弟。側室の薄姫にごっつ依存しまくり。)     
  • 曹氏そうし (劉季がゴロツキだったころの愛人。劉肥の母。)
  • 曹参そうしん (蕭何の部下。)
  • 周勃しゅうぼつ (もと楽師。劉季の弟分。)         
  • 尾生びせい (劉季の弟分。)
  • 夏侯嬰かこうえい (県の厩舎係。劉季の弟分。)        
  • 呂太公りょたいこう (呂雉の父。お金持ち。)
  • 呂雉りょち (劉季の妻。のちの呂后である。が、このドラマではなんかヒロインぽい描かれかた・・・。)
  • 呂須りょす (呂雉の妹、盧綰から樊噲に乗り換える。)
  • 劉太公りゅうたいこう (劉季の父親。プリティー。)
  • 紀信きしん (労役を逃れてから、劉季と行動を共にする。後に大役を担う)
  • 曹無傷そうむしょう (労役を逃れてから劉季と行動を共にする。)
  • 審食其しんいき (呂雉に親切。)   
  • 酈食其れきいき (酒飲み儒学者。いいおじいちゃんなのに、ひどい目にあわせないで~!)
  • 倉海君そうかいくん (張良と共に、始皇帝を襲ったあのヒト。事後、死んだのかと思ったら、ちゃんと逃げてたらしい。)   
  • 季桃きとう (韓信に興味をもつ娘。ぷくっとシモブクレで、アタイ的には、このドラマいち可愛い!)

あっ、主要人物は、メモしなくてもわかるので省きました。
気になったら、オフィシャルサイトに、合法的に載ってるやつを見ればいいもんね!
つーか、ここでそれをやったら、長くなりすぎて絶対途中で力尽きそうだし・・・。
もし、のちのちカユいとこが出てきたら、その都度対応していくかも・・・・。
ということで、何かと散らかしたまま、たぶん後半に続く・・・でも、続かない可能性もある・・・。

2014年6月

項羽と劉邦 (ノーカット完全版) 第一章 [DVD]

項羽と劉邦 (ノーカット完全版) 第一章 [DVD]

 
キャスト
  • 項羽(こうう) 何潤東(ピーター・ホー)
  • 劉邦(りゅうほう) 陳道明(チェン・ダオミン)
  • 蕭何(しょうか) 楊立新(ヤン・リーシン)
  • 張良(ちょうりょう) 霍青(フォ・チン)
  • 嬴政(えいせい) ユー・ホーウェイ(于和偉)
  • 韓信(かんしん) 段奕宏(ドアン・イーホン)
  • 范増(はんぞう) 孫海英(スン・ハイイン)
  • 呂雉(りょち) 泰嵐(チン・ラン)
  • 虞姫(ぐき) 李依暁(リー・イーシャオ
  • 戚夫人(せきふじん) (タン・イェン)
  • 趙高(ちょうこう) 許文広(シュー・ウェングァン)
  • 李斯(りし) 李建新](リー・ジェンシン)
  • 胡亥(こがい) 于濱(ユー・ビン)
  • 章邯(しょうかん) 曹衛宇(ツァオ・ウェイユィ)
  • 扶蘇(ふそ) 葉項明(イエ ・シャオミン)
  • 晨曦(しんぎ) 小斯琴高娃
  • 司馬欣しばきん 呉暁東(ウー・シャオトン)
  • 崇信すうしん 張新華(チャン・シンファ)
  • 雍歯ようし 優勇(ユウ・ヨン)
  • 項梁こうりょう 祝延平(ジュー・イェンピン)
  • 羋心びしん 姫晨牧(ジェン・チェンムー)
  • 英布えいふ フー・トン胡東
  • 龍且りゅうしょ ファン・ユィリン范雨林
  • 季布きふ リー・ユェン李淵
  • 薄姫はくき シュー・ヤン徐楊
  • 樊噲はんかい カン・ガイ康凱
  • 盧綰ろわん ワン・ジーシー王継世

項羽と劉邦 King's War 2

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楚漢伝奇 後半 / ガオ・シーシー

項羽と劉邦 King's War

感想

さてさて、やっと完結編まで出ましたのでっっ!
なんとなく、前半だけ見て憑き物が落ちた・・・ちゅーか気がすんでたので、後半はとーぶん見ないかも、とノンビリ構えていたんだけど、期せずしてこの夏一身上の都合にて、ほとんど身動きとれない!!という状況に陥りまして・・・結局、DVDをどーんと積み上げ、一気に完走してしまいました~。
いや、アタイの事情はどうでも良かった。一大事なのは項羽さんよね。


アタイクラスの健忘症でも、項羽と劉邦モノのすごく大雑把なあらすじぐらいは、多少は覚えていたりするのだが、それでも見るたびしょうこりもなく、まんまと項羽さんを応援するはめになるだよねぇぇ~~。
当然今回も、握った手のひらにジットリの汗が~~。

まぁ、そりゃしょうがないよね。
項羽さんときたら、愛されキャラなんだからもう!!
育ちの良さの弊害か、自尊心バカすぎてじれったいけど、若くて男前で強くて一途、冷酷な面の一方で、愚姫とのバカップルぶりがご愛嬌、という、ちょっとありえないぐらいの萌え要素が、モリモリテンコに盛られてるんだもん。
なんつーても、ピーター・ホーが項羽コスプレしているだけで、目がチカチカ!って何!?んもうまぶしい!!

 ■続き

あんだけ劉邦にコロっとだまされまくりで、范増さんにまで見限られた日にゃ~、項羽ってももももしやアホの子??という悲しい疑惑をムンムン発しながらも、キリっとした顔つきで、あくまでもプライド高き孤高の勇者ポジションをキープする!
そんな荒業が成立するって、やはし俳優さんに、項羽のキャラにビンゴした、よっぽどスペシャルなオーラがあるからじゃん??

とくに印象的だったのは、槍を持ち、馬に乗って戦場を疾走するシーン。本当に美しくて勇ましくて、うっとりと目がハート型。
まぁ、後半になると「秦」は関係なくなるぶん、楚漢ドラマとしてすっきりして、項羽の雄姿を堪能することに集中できる、ってのもあったかも。


そして劉邦。さすがダオミンさん、後半になって俄然存在感を増しますのぅ。やっぱ、劉邦が「庶民」のころは、ダオミン庶民?こんな上から目線の庶民、ありえない!!・・・って思うけど、劉邦がだいぶ偉くなって、尊大な態度が板についてくると、ダオミンさんおおおおぉ~~ってなる。

昔からの仲間を、どんどん切り捨てていく非情さを、ダオミンさんの王者の風格がバックアップ、ただし、ナツメ(?)の食べ方だけは、王者になっても超下品、って芸の細かさ!!


んで、全体的な印象というか・・・ドラマ構成としてはかなりグズグズに思えたし、話のペース配分も、なんか時々「んん~?」ってハテナが発生するのはいかがなものか(いかがなものか!いっぺん使ってみたかった!)。

だって、項羽と劉邦モノの後半戦で、ココ一番に気になるヤマ場としては、離間の計による項羽と范増の離別、呂后と戚夫人のウェットな確執とか、韓信の走狗煮らる、とかあたりかな?とか思うけど、離間の計なんか、割いてる時間は長いのに、肝心のオチの部分は超あっさり!!
アタイ的には、めくるめく范増さんオンステージを所望するのにそれなのに!!ああなんという肩透かし!!


あと呂后ね!趙高さんいなくなって、可愛い悪役カテゴリにポッカリ大きくあいた穴を、呂雉が埋めてくれるんか?とはちきれんばかりに期待したけどそれはナシ。韓信の死のシーンで、呂雉の変貌をにおわせる程度で終わってしまった!!(つーか、めっちゃ唐突に悪女になってたし!!)

そうだよ!!
韓信のエピソードの描き方、あまりにも駆け足で進むゆえ、物足りなさでモヤモヤする。
韓信に対して前半に、「そら豆みたい。」などとシツレーなことをほざいてしまったアタイですけど、後半はだんだんいい感じに、可愛く思えてきはじめてたのに!!


っとまぁ、ブツブツ言い始めたらコマゴマあるけど、考えてみたらアタイ別に評論家じゃないので、このぐらいにしておこ~。
時系列的には、このあと劉邦の大風歌 -漢建国記-  ▼

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・・・・に続く感じよね。
そっちでは劉恒さん(薄姫の息子)を中心に、気になる武将たちのその後の運命、呂后の専横なんかがドロリドロリと語られてて、また面白かったのよ~。

登場人物の末路について

まぁ、実話ベースのお話ってことで、「キングス・ウォー」のくくりに限定せず、な~んか気になる、アノヒトやコノヒトのその後・・・。
特に、キングス・ウォーは項羽の死と共にお話もほぼ終わるので、せっかく感情移入した武将のその後の運命を、検証できないという消化不良。
歴史モノでは、いろんなドラマからひろってきた、ピースをつなげて納得する、という楽しみ方が欠かせないアタイとしては、ほぼ自分のために、とりあえず覚えた範囲だけ、ちょびっとまとめてみるとします。


■呂后(りょごう)

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劉邦の死後、周りを呂氏一族でガッチガチに固めた。結局それが、死後お家断絶の元凶になるのにねぇ・・・。
ともかく、権力を握ったとたん、あまりにもやりたい放題にハジケすぎて、しかもハジケっぷりがネバネバ成分高すぎたせいで、「中国三大悪女」として後世まで語りつがれることとなる。
とくに戚夫人に対するイジメがハンパなかったのが有名すぎるよね・・・。
西太后(の場合はただの通説?)も則天武后も、似たようなことやってるみたいなんだけど、なかでもダントツ陰険なイメージがあるのだよねぇ・・。


薄姫(はくき)

薄姫

もともとは、西魏王の魏豹の側室だったんだけど、魏豹が劉邦に負けちゃって、なぜか劉邦の側室に。
ドラマでは、後半になって、もう別人みたいな男前キャラになってた。
劉邦からはそれほど相手にされなかったらしいんだけど、そのおかげで呂雉の妬みを買うようなこともなく、でしゃばることもなかったため、致命的な敵を作らなかった人。ドラマでは、そこが「賢さ」として語られることが多い模様。
実際、なんだかんだで子の劉恒が、のちの文帝となったため、皇太后として平穏無事に生涯を終えたみたいです。


■戚夫人(せきふじん)

戚夫人

これまで見たドラマの中で、この戚夫人がいちばん可愛かったなぁ・・・。
劉邦の寵愛を受けすぎて、ただでさえ、呂雉の妬みを買ってあぶなっかしかった上に、呂雉の子である盈を廃嫡して、わが子の如意を皇太子にしてして~~などと劉邦におねだりしたのがバレて、後世に残るほどの、ひどい報復を受けるはめになる。
後宮みたいな恐ろしいとこで、生き残る賢さが足りなかったといえばそうなんだろうけど、やっぱし、相手が悪すぎたんだよね・・・。


  • 蕭何しょうか(粛清を逃れることに成功、でも劉邦没後、わりかしすぐ死んだとか。)
  • 張良ちょうりょう(粛清を避け、仙人みたいなのを目指して隠居したらし~。)
  • 項伯こうはく (項羽を見限って劉邦に帰順、ちゃっかりと射陽侯におさまって「劉纏」と改名したそうな。)
  • 虞子期ぐしき (愚美人のおにいちゃん、実在しなかった可能性あり。)
  • 鐘離昧しょうりまい (項羽の死後、韓信のもとに身を寄せ、韓信に謀反をオススメしたりするけど結局自害。その首は韓信が劉邦に捧げた模様。)    
  • 曹参そうしん (「相国」として良い政治を行い、無事一生を終える。)
  • 周勃しゅうぼつ (呂后なきあと、陳平と共に呂氏一族を倒す。)
  • 季布きふ (項羽と心中しそうな勢いだったのに、項羽亡きあと、劉邦に仕えちゃってたりなんかして)
  • 魯元公主 ろげんこうしゅ (斉の王太后となる。娘は、弟の恵帝に嫁ぎ、のちに幽閉された張皇后)
  • 劉盈 りゅうえい (恵帝。母親の呂后におそれをなしすぎて(?)、若くして死す・・。)
  • 盧綰ろわん (呂雉が実権を握ると、身の危険を察し、匈奴んとこへ逃げた~~。)
  • 審 食其 しん いき (呂后に気に入られ出世するけど、呂后の死後、劉長によって殺される。)
  • 彭越 ほうえつ (彭越もまた、走狗烹られちゃったクチですよね。そして肉は塩漬けに・・・。)

おまけ

范増さん

  1. 范増さん!!
  2. 趙高さん!
  3. 張良さん

以上、アタイ的 萌えキャラベスト3でございます。
范増さんは、なんつーてもおくれ毛が風になびく感じがサイコーでした。肌なんかツヤツヤしてて、虫歯なんかもなさそうで、絶対死にそうに見えないのに、ゲホゴホとか言って自然死しちゃうっていうね・・・最期までもう可愛すぎる。

趙高さんはもちろん、プリティーなほっぺたにつきますよね!!プクーとしたふくれっ面に、編みこんだ白髪がよく似合う!

張良さんは、目線かな。まぶたは開いてるのに、目線が下を向いてるっていう・・・・。

あとは、羋心さん(番外)、の病んだまなざしも捨てがたいけど・・・。
ともかく、なんだかんだといろいろ言ったけど、やっぱり面白かったです!!
ありがとう范増さん!!范増さんフォーエバー!!

2014年8月

▼前半はこちら

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2001年ベスト映画

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2001年マイBEST12

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鬱映画豊作状態?

  1. ダンサー・イン・ザ・ダーク
  2. キャラバン
  3. オテサーネク妄想の子供
  4. ファニー・ゲーム
  5. スナッチ
  6. ミリオンダラー・ホテル
  7. レクイエム・フォー・ドリーム
  8. 山の郵便配達
  9. ハッシュ!
  10. 光の雨
  11. 初恋の来た道
  12. 千と千尋の神隠し

 ■続き

キャラバンは、思わずパンフレットまで買っちゃった!!
そもそも、「リトル・ダンサー」を見るつもりで映画館に行き、チケットまで買っていざ入場、という段になり、壁面のポスターを見やると、同映画館で上映中の、「キャラバン」が最終日!!との情報が!!うぉぉぉぉ、あ、あ、あぶないとこだった!

そこで、ゴリゴリと映画館に交渉して、リトルダンサーのチケットで、キャラバンを見せていただく、というアクロバットを行いました。
もちろん、気持ちよく対応してくれましたよ、人情のある、いい映画館でしょ。

おかげで、近来まれにみる、余韻の深い映画を思い出に残すことができました。
大スクリーンで視界いっぱい広がるあの風景や人々の営みを見のがさず済んだこと、山の神様に感謝しました。
話といえば、単に塩を運ぶ話なんやけど。


初恋のきた道も本っ当~~に良かったです。チャン・ツィィーのぴょこぴょこと弾むオサゲを見ているだけで、もうじーんとしちゃうのは、一体何なんだろうか。この映画を見て涙がでちゃった人は、きっと普段は忘れてるすみっこに、そんな光景とオーバーラップする、何かがある人なんだろう。
映像もそれはそれは美しかったなぁ。さすがチャン・イーモウ監督。


ファニー・ゲームは、嫌いな人が多いみたいなんですけど、やっぱ、すごい映画には違いないよね~~。アタイは今後、ハネケ監督の映画を欠かさず見ることになるだろうな、と思います。ミーハー的には、ウルリッヒ・ミューエ萌え。


スナッチは好きなカテゴリなんですよね。ガイ・リッチー監督好き!
何というか、破綻しやすいこの分野で、構成とテンポと飄々としたバカバカしさを成功させてるのがツボにハマるというか、見終わった後、「あー面白かった。」って、思わず1オクターブほど高めの声が出る。


あと、ダンサー・インザダークにしろ、ファニーゲームにしろ、レクイエム・フォー・ドリームにしろ、ひどい鬱映画だと思うけど、アタイにとって、最も憂鬱だったのが、光の雨でした。役者があさま山荘の事件の芝居をする、という2段構えによって、悲惨さの緩和が図られてる・・・みたいに言われてるけど、ぜんぜん見やすくなってないよ!もうほんとうに苦い後味が数日残るような、つらい映画だった。


番外になるんだけど、セシル・B・シネマウォーズも面白かったなぁ。ウォーターズは、ピンクフラミンゴ以来、追い払っても追い払っても食い込んできて、今更排除できない感じです。

オー!ブラザー!とか、クイルズも良かった。ステーシーとかもベストに入れたかったなぁ。欲張りすぎか~。
個人的には、ハンニバルとか、ジルリップスも、心に残りすぎてて困ってるんだけど・・・。

実を言うと、2001年の劇場通いは、月に1~2本ぐらいのゆっくりペースでした。
あとはレンタルでちまちま借りたりしたんだけど、もしや、なにかトテツもなく面白い映画を見逃しているような気もしてちょっと落ち着かない。
ちなみに、公開年度はテキトーに把握してるだけなので、違う年度のが混ざっているかも。

(2002.1月)

(2011年 追記)

 ヒトコト

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 ▼ゲイのカップルとがさつ女子の友情と子作りのハナシ?ちょと違うか!

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▼連合赤軍事件を劇中劇として描いています。彼らに、何が起こっていたのか。

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 ▼シュヴァンクマイエルは常に最高。

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 ▼ジェレミー・デイビスが良いのですよ。

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 ラズベリー

ちなみに、ラズベリーは、パール・ハーバーでお願いします・・・。(ぼそっ)

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