TUT
9歳で即位し19歳で没した若きファラオの物語
Hulu版では全6話のミニドラマです。
巷ではあまし褒められてないような気配を感じるんですが、アタイにとってはかな~り面白いドラマだったんですよね!!
ぶっちゃけ全く退屈しませんでしたん。
そもそもアタイと古代エジプトとの付き合いといえばたま~~~~に美術館の古代エジプト展に行って、吉村作治先生の本を買って積んでおく・・・・程度ですから、ガチ勢のようにはダメ出しポイントがわかんないんですよね・・・たぶん・・・w。
そんなミーハー的視点としては、フィクションに史実フレーバーが乗っかってるいつものやつだなウフフ、とお茶ズズズしながら軽薄に見るのがベストっぽい感じのドラマでした。
バトルあり血ドバあり陰謀ありロマンスありのエンタメ
なんせしょっぱなから強烈シーンがババーンであります。
先王アクエンアテンに毒を盛った忠臣(忠臣じゃないじゃん!)が家族ぐるみで処刑されるんですが、いかんせん紀元前14世紀、処刑の方法がワイルドです。
(disってません、洗練された処刑のほうが嫌なので。)
そしてわずか9歳のツタンカーメンが同世代の子供を殺すという世継ぎイベントを強いられまして、そこで怖気づいて図らずも宰相アイの手を借りてしまったため、即位後の実権をやつめに握られてしまうんですよね。
宰相のアイは、ぶっちゃけツタンカーメンの次の王よね?
だもんでその時点であちゃー!っとならずにいられない。
いくらふりほどいてもあらかじめ脳裏に刷り込まれた不動のオチが、目の前をこれ見よがしに横切ります!
歴史ものあるあるとはいえ、やるせない瞬間です。
ただ、この宰相アイを名優ベン・キングズレーが演じていて、野心を抱いているのは明らかだとしても、どこか得体のしれなさが漂っていて良かったです。
つーか、王の忠臣王の親友・・・みんな王位に座するワンチャン狙ってんじゃんか!!
なんだかんだ言ってアクエンアテンが忠臣に毒を盛られたように、みーんな次の王ツタンカーメンにもあわよくば死を、と思ってる。
ということは?
誰かが王になったところで王座を狙う二番手から寝首をかかれるのがオチなのわかってんのに、さらには妃の腹の中の子まで邪魔者扱いされるのに、なーんでみんなそんなに王になりたいのか理解に苦しむ・・・。
戦のシーン、王が自ら体を張って前線で戦うのでそりゃ深手も負うよな、って感じなんですが、瀕死の王を将軍と親友が見捨てるんですよ・・・。
のみならず将軍は、兵に王の捜索を命じ「オシリス神がツタンカーメンを蘇らせたとしてもテーベではなく死後の世界に案内しろ。」とか言うんですよ!!
くーーーっ!!
唯一の味方は捕虜になったし、ほぼ孤立無援じゃないの!
けど、そこからのツタンカーメンが王としての実力を発揮していくのが凄かった!!
疫病に対する世紀の決断、王としてベターかも知れないが、人として地獄に落ちちゃいそうなのに、メンタル持ちこたえるの凄すぎる。
あとこのドラマ、ファラオ、妃、側室、神官、宰相、宰相の息子・・・とそれぞれの立ち位置が利己的過ぎて面白く、単純に善悪では処理しきれないのが良いんですよね。
さらに神官のアサシンぶりが、個人的には超ハマった。
まぁ、それはそれとして。
ここでミーハーが声を張り上げるべきなのは、ツタンカーメンことアヴァン・ジョーギアはじめ、若手俳優陣の美貌であり、ベテラン勢の怪演であります。
アヴァン・ジョーギアのイケメンぶりは世界征服を狙えるほどですが、女優さんが互角の美貌を備えていてしかも惜しみなく脱ぐんですよ!
しかも工口ではなくて「美」なのです。
よって、ミーハー目線に理解のある未見の方には、プッシュできるかと思います。
ただ、ラストはなかなかうまく丸め込んでもらえるようでいて、後味に虚しいものが尾を引く感じもございます。
実際、近親婚によってまで「王家の血筋」を尊んできたはずなのに、最終的には確か将軍が王になり、王家の血が途絶えるような・・・。
まぁ、そんなこんなをひっくるめて、やはり古代に思いを馳せるのは、至高のロマンでございますよね。
ステイホームを選ぶ民のGoToトリップとしては、最高なのではないでしょうか。
「ツタンカーメン呪われた王家の血」DATA
- TUT(2015)アメリカ
監督
- ディビッド・フォン・アンケン
出演
- アヴァン・ジョーギア(ツタンカーメン)
- ベン・キングズレー(アイ)
- シビラ・ディーン(アンケセナーメン)
- ノンソ・アノージー(ホルエムヘブ)
- ピーター・ガディオット(カー)
- カイリー・バンバリー(スハド)
- イド・ゴールドバーグ(ラグス)
- アレクサンダー・シディグ(アメン)
- アリスター・タヴェイ(ナクト)