A Perfect Day
1995年、バルカン諸国のどこか。
停戦直後のすったもんだのさなか、あるNGO(非営利)団体・・・「国境なき水と衛生管理団」って言うんですが、その団体の活動家たちがロープを探して右往左往するお話でございます。
視聴開始数分で、「こ、これは傑作なのでは!」とスピード確信できるという、気の短い人にもおすすめできる仕様でしたので声を大にしてご報告します。
だって、冒頭早々井戸から死体が引き上げられているんですけど、そのシーンのスリルと言ったら!!
ええ、ロープですよ、くたびれていまにも崩れ落ちんばかりのロープがね、でっかい死体を引き上げてるんです・・・。
なんせ井戸ですからね・・・・死体の浮いてる水を飲めるか?って話ですよね。
そりゃぁもう、衛生警察のアタイとしては、ミッションの成功を願って心臓バクバクしますよね。
そして「案の定な!」みたいな展開になるんですが、その描写が秀逸すぎて前のめり。
つーか都合106分の間、ロープを求めて奔走する活動家たちの、とある一日が描かれるだけだってのに、前のめったりのけぞったりと、アタイのひよわな体幹が忙しく振り回されることになるんですよね。
ひらたく言えば、面白い!!背骨が折れるほど面白いんですよ戦争映画なのに。
ちなみにジャンルはコメディです。それもかなりシュール方面。色で言えば黒!!英語で言えばブラック!!ヤヴァイ!
けどゆるい!
戦争の描き方として、戦争というものの伝え方として、これは凄い!!と興奮します。いやまじでおそれイリヤのテクニカル。
ぶっちゃけ、笑う!!笑うけど泣くから!!
ミーハーのちっこい脳みそにさらっといろいろ刷り込んでくるから!!
さらにミーハーとして、ベニチオ・デル・トロ、ティム・ロビンス、そのうえオルガ・キュリレンコ!!といった達者な役者さんたちの存在をありがたく拝み倒したい気持ちと共に、音楽の最高さに心打たれたことを、盛大にお伝えせねばなりません。
だって、いいとこでラモーンズとかが流れるんですよ!!マリリン・マンソンなんかもですよ!ほかにも宝探しできますよ!ヒャー!!
あと、アタイ的には犬ですね。犬のシーンは、泣ける描写でないシーンでも、もれなくぜんぶ泣きました。
犬がいたらさ、いや動物もれなくそこにいたらさ、戦争はさ、やっぱアカン!!ってなりますよね。
理屈を経由しない直感レベルで。
たとえ人間側にどんなたいそうな言い分があったとしても、少なくとも犬の幸せを確保できない状況は、なにがなんでも支持できねぇ!!
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原作者のパウラ・ファリアスは、国境なき医師団に所属する医師らしいです。
道理で説得力が半端ないわけですよねぇぇぇ。
配信で見るならU-NEXT が独占配信しております。
アタイがなかなかU-NEXTに見切りをつけられない理由のひとつですよ・・・。
『ロープ 戦場の生命線』DATA
- A Perfect Day(2015)スペイン
- 原作/『Dejarse Llover』パウラ・ファリアス
監督
- フェルナンド・レオン・デ・アラノア
キャスト
- ベニチオ・デル・トロ(マンブルー)
- ティム・ロビンス(B)
- オルガ・キュリレンコ(カティヤ)
- メラニー・ティエリー(ソフィー)
- フェジャ・ストゥカン(ダミール)
- セルジ・ロペス(ゴヨ)