Don't Breathe
あらすじと感想
「デトロイトの過疎地域に住む、ひとり暮らし退役軍人おじいちゃんVSコソ泥3人組」というバトルもの?
青コーナーのおじいちゃんは事故で娘を失っていて、その示談金をガッポリ持ってる、という個人情報をコソ泥めらに握られて、ターゲットとしてロックオンされてしまったのです。
しかもこのおじいちゃんには、盲目というハンデキャップがあって、チンピラたちにとってはおいしいカモ鍋に見えた模様。もちろんネギは山盛りで。
けど、そのおじいちゃんというのが、スティーヴン・ラングさんなんですよ。盲目とはいえ、ナメてかかれる相手じゃないのではございませんこと?
赤コーナーの強盗たちは、せめて「必殺処刑チーム」とか、「コナン・ザ・バーバリアン」ぐらいは目を通し、覚悟を決めてから押し入れよ!って話ですよね?
しかも、このおじいちゃん、人生に絶望し、信仰を放棄しています。
それが何を意味するかと言うと、もう怖いものなんてない!ってことじゃーないのでしょうか。
強盗に、オーシャン並みのスキルがあらばこそ、所詮コソ泥の分際でチャレンジを試みるには、ワナオトコのお宅に次いで、敷居が高い案件ですよね。
■続き
まぁ、強盗側にもそれなりの、事情の設定があったりします。
リーダー(?)のマネーはありがちワルで、とっとと死ぬからほっときますけど、マネーの彼女のロッキーは、劣悪な家庭環境という背景があり、可愛い妹の為にもなにがなんでも大金を得て、デトロイト脱出するもん!と夢見ています。
そんなロッキーに思いを寄せるアレックスは、一見いちばんマトモに見えるんですけど、父親の営むセキュリティ会社(信頼第一だろが!)のデータを盗みに利用している時点で余りにもアウト。
つーか、娘を失って、犬しか身寄り(?)のない盲目の年寄りから、金まで奪おうって企む時点で、この三人にどんな事情があろうがアウト。
ということで、アタイとしては由緒正しく、おじいちゃんを応援させてもらいました。
おじいちゃん目線で考えてみると、まず一人目、マネー殺しは、完全に正当防衛が成り立ちます。
あと、娘を殺した女性ドライバーを誘拐の上監禁して、「子供を返せ!!」と詰め寄ってしまうのは、子を失った遺族の悲しみを想像すれば、わからぬでもない感情の炸裂と言えます。
ただ、つぐないとして要求する、具体策が生臭すぎる。
殺したからには、ワシの子供を生んで返せ!!・・・・と、あまりにもダイレクトな解決法を、女性側の了解抜きに強要する!!
そのエピソードに関してだけは、誰もが「ギャアアアヘンタイ!」とドン引くこと間違いなし。
ぶっちゃけ、ロッキーが受精させられそうになるシーン(レイプではない)では、キモさの余り、アタイの顔がウメボシ状態になりました。
だってさ~、ストック精液の中に毛が混ざってたりするんだよ!でもってスポイトで吸い上げて・・・・・・そんな狼藉、生理的にムリ、ムリ、ムリに決まってるやんか!ねぇ!
だからして、すんでのところで難を逃れたロッキーが、じいちゃんにケリを入れ、スポイトを口にお見舞いするぐらいは、致し方ないというか、アタイとしても支持します。
でもだからといって、強盗たちによる「変態ジジイ死んで当然!」という姿勢が正当化されていいんでしょうか・・・?
それにしても、強盗のほうは、同じ空間にじいさんがいても、息を殺してスリルに耐えれば、助かる可能性あるんだけど、じいさんのほうは 同じ空間に強盗が何人いるかもわからなくて、気配や物音、匂いぐらいしか頼りがないのよ。
スティーヴン・ラングが演じてるにしちゃ、おじいちゃんのバトルが意外と普通・・・というか、猫にかみつく窮鼠に見えて、なんかしんみりしてしまいました。
ところでこのスリラーの性質上、主役は泥棒のほうでしたけど、おじいちゃんが異常者だったらロッキーに感情移入できるか?といえばそんなわけもなかったです。
大体、弱者が、より弱者から奪おうとする構図って、何か気持ち悪いだね!
個人的には、結局どっちにも感情移入できなくなりそうなモンだったのに、ラストでやっぱり、おじいちゃんウッヒョー!!って嬉しくなったりしましたヤバイ。
あと、ワンコよワンコ。
ホラー的に、血糊より、ワンコのよだれがグッジョブでした!
「ドント・ブリーズ」データ
- Don't Breathe(2016年)アメリカ
監督
- フェデ・アルバレス
キャスト
- ジェーン・レヴィ(ロッキー)
- ディラン・ミネット(アレックス)
- ダニエル・ゾヴァット(マネー)
- スティーヴン・ラング(盲目の老人)
- エマ・ベルコヴィシ(ディディ)
- フランシスカ・トローチック(シンディ)
- クリスティアン・ザヒア(ラウル)
- カティア・ボーカー(ジンジャー)
- セルゲイ・オノプコ(トレヴァー)