Ichi the Killer (2001) / 三池崇史
サイコーSMバイオレンス
ネトフリにありました。ネトフリありがと~。
巷の賛否はともかくとして、アタイ的には、ヒーハーでビンゴでフィーバーで、オーマイガッな、オールタイムベストカテゴリに属する映画です。
見どころは、うなる血しぶき、はじける臓物!
登場人物はあらん限りの各種変態。
最終的に、MだのSだのの一文字で済ませられない、軌道を逸した変態と、軌道を脱した変態の・・・まぁようするにどっちもどっちの頂上決戦!
・・・・になるはずが、見ているこっちの思い通りに、テコでもならない、超エンタメすぎるラスト!!
ちなみに、アタイは、原作のマンガを読んでません。
あくまで、原作と映像と演出との融合・・・つーかいろいろブチ込んでぐつぐつ煮たような、この映画をば、愛しております。
たぶん、いまだと、こんな不謹慎な映画って作りにくいんじゃないかな。
アタイにも世間体ってやつが存在するゆえ、リアルご近所さんとか、潔癖症な知り合いとかには、わざわざおススメいたしません。
けど世の中ってモンはさ~、汚物も含めてナンボですよね。
ぶっちゃけ、そのうち表現の自由が奪われる時代が来るかもしんないわけですし、こんな困った映画を、ネトフリのようなスタイルで、自由に見られるのも今のうち!かもしんないですし・・・。
思春期あたりのお子様以外は、ひとつ、冥土のみやげとでも思って、見ておかれるとよろしいんじゃないでしょうか。
確かにスプラッタ度はハンパじゃないけど、痛いシーンほど笑えるつくりになっているので、どんなに気の小さい人でも、手のひらで顔を覆って、指と指の隙間から見れば平気だってば。
■続き
あらすじ
安生組の組長が、ある日カネと共に姿をくらまします。
最愛の組長の、存命を信じ行方を追う垣原。
やがて「イチ」というナゾの殺し屋の存在にたどりつく。
イチの殺しの現場ときたら、垣原的には超スゲェェ!
垣原は果たして、イチのかかと落としによって、切望して止まなかった絶望を無事に味わい、恐怖という名の快感と共に、コマギレ肉として成仏することが出来るのか?
・・・みたいな感じかな。ん~、違う?
・・・まあいいじゃん、あらすじなんてもんまとめんの、アタイの性能じゃムリ。
感想
まず、キャストよね。笑うよね。
信じられないほどの豪華キャストが次から次へと、湯水のように湧いて出て、存在を必要以上にアピールしては消えていく。
なかでも印象に残るのは、序盤でフックに吊るされた寺島進のリアクション。
しかも、寝耳に水のいいがかりでカラ揚げにまでされてんのに、一切報われない状況は涙を誘う!
あと、新妻聡も良かったな~~。ただでさえアタイあの顔と喋り方が好きなのに、しかもテレビの中に収まってんだぞ。惚れるわ。
そんでもって、カレンちゃんと垣原の間に、小さく挟まってた森下能幸、まっぷたつに割けた木下ほうか、ポチと化して、臭いで龍の居場所を追う松尾スズキとか、脱いだらすごかったジジイ(塚本晋也)の中ボス感とか、もういちいち挙げたらキリがないほど面白い。
でも、なんといっても二人の主役、垣原を演じる浅野忠信と、イチを演じる大森ナオがすごかった!
暴力と痛みを愛して止まないヤクザ、指詰めどころじゃおさまらない落とし前として、舌を詰めながらコーフンする、というかなりやりすぎキャラクターに、なんとナチュラルな生活感を感じてしまったんですよ。
それって、絶対浅野忠信あってこそでしょ?
あと、垣原の日常を蝕んでいた「あきらめ」が、「希望」に変ったときのはしゃぎっぷりの可愛さ!
今か、今かと前のめりになったところを、突然の肩透かし!
「こっちだよ!」と食い下がりながらも、「だよな~。」と落胆する垣原!!
思わずルマルシャンの箱(※1)をそっと手渡してあげたくなる!マジで。
そして、イチ。
渾身のあどけない顔、素晴らしい泣きっぷり!
まるい瞳の純真さ、暗示にかかりやすい素直さと、ヘタレで最強のサイコパス、っていう矛盾が裸足で逃げてくようなキャラを、ゼッケンと共に背中にしょった大森ナオ、すごいっす!
ちなみに、タイトルはDV現場の覗きで発した、イチの精液で描かれるんですよ。ふざけてますよね。最高だ。
▼ 関連してるかな?みたいな。
三池監督×佐藤佐吉脚本って、黄金コンビなのでは?
▼(※1)
「殺し屋1」データ
- ICHI THE KILLER(2001)日本 韓国 中国
監督
- 三池崇史
出演
- 浅野忠信(垣原)
- 大森南朋(イチ)
- SABU(金子)
- 塚本晋也(ジジイ)
- 松尾スズキ(二郎・三郎)
- 菅田俊(高山)
- 國村隼(船鬼)
- Alien Sun (カレン)
- モロ師岡(コーヒーショップ店長)
- 風祭ゆき(ヤクの売人)
- 木下ほうか(DV男)
- 新妻聡(井上)
- 渋川清彦 / KEE(龍)
- 森下能幸(パブの客)
- 佐藤佐吉(イチを蹴ってた)
- 寺島進(鈴木)
- 手塚とおる(藤原)
- 有薗芳記(中沢)